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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
目覚める『闇』と『光』の事
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とおりにするか、危険性がある以上ここは大人しく引き返すかのどちらかしかない。
「…そうだな。入ってみよう」
「危険かもしれませんぞ、お館様」
桔梗が一刀に警告を入れるが、彼女自身一刀が言い出したら聞かない男であることは重々わかりきっていた。
「わかってるさ。だから、みんなを護衛に頼んだんだ。世話をかけることになっちゃうけど、頼むよ」
「あたしたちが断れないってわかってるだろ」
へっ、と翠が笑う。
「でも、蒲公英たちに無理に負担をかけたくないから敢えて『頼むよ』なんて言ったんだよね。ご主人様はやっぱ優しい〜」
蒲公英も快く護衛を引き受けてくれるようだ。
「そういえば、この遺跡ってなんていうの?」
ふと、一刀は桔梗に一つ質問してきた。
「確か、地元の者たちの話によると…『婆羅堕(バラダ)遺跡』と言っておりましたぞ」
「『婆羅堕遺跡』…」
やはり聞いたことがない、と一刀は思った。そんな名前の遺跡は三国志は愚か、中国の歴史上でも存在が確認されていないはずだ。少なくとも自分の記憶の中では、こんな遺跡の存在は全く触れられていない。歴史からも忘れ去られたのか、それとも…
(この世界だからこそ存在しているのか…)
この世界が自分の知っている三国志とはかなり異なっている要素が多いことは知っているが、だからこそ自分の知らないことについてもっと知っていく必要があると彼は考えていた。
一刀たちの会話の傍ら、恋はセキトの頭をなでていた。
と、その時だった。ピクッとセキトが恋の手を退けて顔を上げ、どこかへ走り出したではないか。まるで何かの匂いに感づいたように。
セキトは、遺跡の入口の鍾乳洞の中へ突っ込み、闇の中へ姿を消した。
「!待って!」
セキトを追って恋は駈け出した。
「お、おい恋!待てよ!」
翠が引き留めるように言ったものの、彼女は天下無双と称された将なだけあって脚力も優れていた。だからたちまち一刀たちのもとから遺跡の闇の中へ消えてしまう。
「俺たちも急ごう。副官さんに留守番を頼んで兵たちにはここにいるように言うんだ」
「合点なのだ」
一刀たちも、桔梗と蒲公英に同行していた副官に留守を任せ、恋とセキトを追って遺跡内部へと侵入した。


遺跡に入り込んだ途端気分が悪くなった亞莎は、自分の天幕に戻って馬忠が回収した遺跡の出土品を改めて眺めていた。
しかしただ眺めているだけでは何もわからない。これらの出土品に、何らかの意図があるのは確かだ。とはいえ出土品というものはどれほど脆いのか想像もつかない。注意しながら、彼女は出土品の一つに手を付けてみる。彼女が手に取ったのは、翼のような彫刻を刻んだ青銅の神具。
耳を澄ませると、どう見ても楽器じゃないのにこの神具から何か笛のような音色が聞こえてくるような気がした。遠い昔を連想するような音
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