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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
目覚める『闇』と『光』の事
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わずか一瞬だったが、ルークはそれを見終わると同時に息を荒くした。今のビジョンは一体…?突如のことが重なってばかりで、ルークは頭が混乱しかけていた。だがそんなことをしている場合もない。すでに竜が…クラヤミノオロチが迫ってきている。
「ルーク!」
天和の叫び声が聞こえる早く逃げろとでも言っているのか…。だが、ルークの耳に
天和の声は届かなかった。
彼女の変わりに、彼の耳の中には聞こえていた。
笛の音色のような、自分を導くような音を。
揺れ続ける神具から、ルークはそれを感じていた。
まるでその神具が、彼をずっと長い間待ち続けていたように。
神具の翼が、キン!と音を立てながら開かれ、内部に隠れていた宝珠が露になる。その玉から発せられる光がルークの瞳の奥に飛び込む。
(なんだ…体が熱!?……い……)
すると、奇妙なヴィジョンが彼の頭の中に、走馬灯のように流れ込んだ。
『兄さん、どうして!!』
銀色に青い目の戦士が必死に問うように呼びかける姿。
『…本気で行くぞ、MY FRIEND』
赤い鎧の巨人が自分に向けて、怒りを顕にしたように。
『へ…てめえの命…俺がもらってやるよぉ!!』
青い狡猾な顔の戦士がこちらに牙を向けた姿。
『ティガ…!』
最後に、傷ついた女型の巨人が自分に手を伸ばす姿。
(これは…夢の光景と…同…じ…!?)
宝珠を見た途端、ルークは自分の胸元を中心に、猛烈な力が爆発的に溢れ出すのを感じた。
気が付けば、ルークは自分が何をしているのかさえも記憶にとどめなくなっていた。その証に、彼の鳶色の瞳はいつしか虚無に満ちたものとなる。
彼はそのまま天和たちの前から数歩前に出て、竜と対峙した。
竜は、まずはお前からか。ならば真っ先に食ってやろう!とでも言うように、長い首を伸ばしてルークに食らいかかった。
その刹那だった。
虚ろな目のままルークは操られるように神具を掲げると、神具に内蔵された宝珠から黒い光が稲妻をほとばしらせながら解き放たれた。
虹さえも発生させるほどのその眩しさに、天和と亞莎の二人は思わず目を閉ざす。
少し間をおいてから目を開けると、そこにルークの姿はなかった。その代わりに…巨大な影が自分たちの目の前に。
その影の正体は今、ルークを食らおうとした竜ではなかった。自分たちを覆う影の正体を見た天和と亞莎は、今までにないほどの呆気にとられた。
ルークの立っている場所に立つその影の正体は…。
「ディア!!」
黒銀色の肌の上に真っ黒な模様を刻んだ…黒い巨人だった。
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