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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
ルーク、天和と出会うの事
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同時期。
江東の方面に広がる大地、呉。
亡き孫堅の代から三代に渡り、怒涛の戦いが続いた地域。蜀や魏と比べると元水賊が勇将として活躍している等、水軍が鍛えられている。王である『孫策(真名は雪蓮)』が、母である孫堅の死後分裂してしまった呉を統一し『江東の小覇王』と呼ばれることで有名だ。
しかし、この国の首都である建業の城内にその王である雪蓮の姿がない。一方で政務をこなしていた呉王の妹…『孫権(真名は蓮華)』が呉の軍師にして大都督『周瑜(冥琳)』と対談していた。
「遺跡ですって?それも見たこともない様式の?」
机の反対側に座る冥琳に、蓮華は尋ねてみると、冥琳は頷く。
「ええ。それも長江の底にも届くほどの地下まで続いていると、調査に向かった明命及び亞莎の二部隊からの報告です。彼女たちには引き続きその二箇所の調査を続行させています」
「長江は海のように深い。そんな場所にまで届くほどの遺跡があるなんて…」
信じられない。蓮華でなくても驚く話だ。謎の遺跡、見つかったのは蜀だけではなかったのだ。
「しかも明命の方では、気になるものをいくつか発見されたと」
「気になるもの?」
「街の残骸と、巨人の石像群です。それも、かなり痛んでいましたが、たった二つだけ傷一つなく現存しているものがあったと」
「巨人の石像…」
蓮華は何か怪しいと思った。
長江の底にまで通じるほどの地下に広がる遺跡。そしてそこに存在する巨人の石像なんてそんなもの、これまでの先人たちが知らないはずがない。そもそも巨人といわれるような巨大な石像が、群といわれるほど作れるような余裕などあるとは思い難い。秦の始皇帝でさえ国中のありとあらゆる人間を使って万里の長城やら兵馬俑やらを作り上げたことにどれだけの費用と人材を必要としたのか。当時の人たちはそれだけでも気が遠くなるような苦労だったはず。それを巨人といわれるような代物を、かなりの数を作るなど…。
「冥琳…その遺跡に関する文献は?」
「現在、文官たちを集めて、例の遺跡に関連する資料・文献がないか調べています」
「…穏には、任せていないわよね」
なぜかここで蓮華がいい辛そうにいうと、冥琳は苦笑した。
「ご心配なく。あれに任せておいたらかえって難航することは重々承知済みですから」
「ほっ…」
どうも今の穏と呼ばれた人物、何かしら厄介なものを抱えているようだ。
「ところで蓮華様、雪蓮はいずこに消えたかわかりますか?」
雪蓮と冥琳は正史での孫策と周瑜と同じく、昔ながらの親友同士だった。だから仕える主と部下の関係ではあるが、こうして呼び捨てにできるほどの仲だ。
目くじらを立てながら冥琳は蓮華に問うと、逆に蓮華も尋ね返してきた。
「姉様を?見てないの?」
「…そのご様子だと見ておられないようですね…まったく、あやつのだらしのなさは
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