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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
ルーク、天和と出会うの事
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て、色々と訳が分からない。
(お袋にこの力はなかった…だとすると、やっぱり俺の親父は……!)
「ルーク、どうしたの?」
「え…!?」
「顔が変だよ」
顔に出ていたのか、気になった天和がルークの顔を覗き込んできた。
「顔が変って…ぶ、無礼な奴だな…なんでもねぇよ!気にすんな」
(いや、不安に思っても仕方ねぇ。ここで手をこまねいてたって、それこそ家に帰ることができるはずもないんだ)
弱気になっている自分に、自分なりに喝を入れることで不安を押さえ込んだ。女の子の前で憂い顔なんて浮かべるものじゃない。きっと母たちならそんな自分に『それでもヴァリエールの男か』と叱り飛ばしてくるはずだから。
今の自分は、半場その場の成り行きではあるが、天和の護衛だ。ちゃんと守ってやらないといけない。
「…なぁ、天和。今は次の目的地までどれくらいかわかるか?」
ルークは、次に自分たちが訪れる予定の場所のことをたずねることにした。
「うーん、ごめんね。私そこまで地理には詳しくないの。そういうことはほとんど人和ちゃんに任せてきたから」
「おい!?」
その返答はいかにも投げやりというか適当なものだった。
なんとなくこいつが緩い感じのキャラなのは読み取れていたが、できればルークは自分の今の状況からして、そのようなずぼらなところはないことにしてほしかった。しかし事実、天和はのほほんとしたキャラであることは明白で、そのキャラの通りなのか結構やってること覚えていることが適当だった。
「でも、一人旅をしてから、ここから北の方角にまっすぐ行けば街が見えてくるってことは覚えてるよ?大丈夫、大丈夫♪」
なんとも楽観的なことを言う天和に、ルークはげんなりした。
(本当に大丈夫かよ…)
ただでさえ不安ばかりの異世界道中、それが余計に不安をかきたてられてしまうこととなる。
ルークは鼻歌交じりに歩く天和を横目で見る。久しぶりに二人以上の旅なのか、どこか楽しそうだ。初めて会ったばかりだというのに、ルークを疑ったりもせず、ただ一度暴漢共から助けただけで彼を護衛として命を預けた。それだけ信頼してくれているのか?
今の自分は故郷に帰る手立てを見つけることが目的だが、だからといって天和を放っておくこともできない。また暴漢に襲われる可能性が大きいだろう、なにせ楽観的な思考の美少女など、彼女を襲った下卑た男たちのような輩が無視するはずがない。
故郷へ帰る術を探しつつ、ルークは改めてしっかりと天和を見ておいて置こうと思った。
「あ、そうそう。気をつけてね?ここって、山賊が時々出てくるの」
遠くに見えてきた山岳地帯を見ながら、天和は補足を付け加えてきた。
山賊…ルークにとってはあまり馴染めない種類の人間だ。もう山賊が出てくるほど故郷の治安は…いや、完全とはいえなかったな。
若き日の
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