暁 〜小説投稿サイト〜
ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
ルーク、天和と出会うの事
[8/13]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
地下に開かれた広場に着く。そこには馬忠の言っていた通り、壁や床に埋め込まれた石版に、文字がいくつか刻まれていた。また、壁にもその遺跡が作られた当時の文化の名残なのか奇妙な彫刻がいくつも掘られている。
「だめですね…これは私も読めません」
松明で壁に刻まれた文字を見てみる亞莎だが、これは彼女でも解読することができなかった。彼女…呂蒙は学問に秀でており、この大陸において深く名を刻んだ偉人たちの文献や旧王朝の歴史資料をいくつも読んだ。だがいずれの書物においても、この文字に該当するものはなにもない。
だが、亞莎はこの事実について何かおかしいと思った。
「しかし、奇妙ですね…これほどの遺跡を、これまで名を残し続けてきた方々の目に留まることもなかったなんてありえません」
この大陸にはいくつもの王朝が栄えていた。夏、殷、周、秦…そして現在、『高祖』との呼び名でも呼ばれている『劉邦』が興し、後にその子孫である『光武帝』が再興した漢。これらの栄えていたいずれの時代でも、数々の偉人たちが名を挙げ、そして乱世に散っていった。だが彼らが偉業を成し続けている時間も、この場所もまた戦場になることもあれば、道中に訪れることもあったに違いない。それ故に、この遺跡が『今の時代、それもほんの1年以内にも満たない時期の間に』発見されたという事実が奇妙だった。まるで、開放されるべきときを、この遺跡自身がずっと待っていたかのようだ。
それに…亞沙は自分の肌に、この遺跡から発せられる空気を感じ取っていた。
(…いやな感じがする。なんなの…?)
どうしてか、この遺跡はこうして立っているだけで、喉を締め上げられているようないやな気分になる。
「どうかされましたか?」
「いえ、少し夜更かししすぎて体調が悪くなったかもしれません」
気を使ってくる馬忠に、亞莎は首を横に振った。
「それは大変ですな。一度天幕に戻られてお休みになられてはいかがですか?」
「すみません、そうします」
亞莎は一刻も早く出たくなっていた。馬忠の言葉に甘え、彼女は一度地上に出て、自分の天幕に戻り、馬忠らが回収した出土品の方を監察することにした。
「じゃあ、この国じゃ黄色いリボンをつけたチンピラたちが国の各地で暴れた乱が起こって、あんたの妹たちはそのときにはぐれた…ってことか」
その頃、江陵を出たルークは天和の護衛として、彼女と共に北に向けて旅に出た。
江陵を出るとき、自分を怪しんだ警備兵と鉢合わせするのではと思ったが、天和はそれを聞いて気を使ってくれたのか、その警備兵が休憩などで居ない時期を見計らってくれたおかげで、何事もなく江陵を出ることができた。
現在二人は、山道を通っていた。下には川が流れている。そこは偶然にも、山の麓に陣とっている亞莎たち呉軍のすぐ傍だった。
「うん、私はなんとか逃げ出
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ