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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
ルーク、天和と出会うの事
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しかねますが、その辺りでおやめになってください。雪蓮様」
雪蓮の持つ酒皿を指さして、思春と呼ばれた女性は注意する。
思春…名は甘寧。元水賊の頭で、水上での戦ぶりと工作兵としての力と武を買われ、普段は蓮華のお目付け役として活躍する呉の将。大概の相手を突き放すなど、冷たく見られがちな、元水賊にしては生真面目な性格をしている。
「蓮華様の命令であなた様を探していたのですが、探す手間が省けました」
「思春を使ってまで私を探すなんて、逃げ出した飼い犬じゃないんだから〜…」
「…ご自身の日ごろの行いを振り返ってください」
「冷たいわね…」
思春から酒を取り上げられ、妹から痛いところを突かれて雪蓮はブーたれる。この後、雪蓮は結局サボっていた仕事をさせられるために思春に連行された。監視役に思春と、蓮華との対談を終えた冥琳がついたことで、サボっていた分自由時間が大きく削られ幾度も涙したくなったという。



「あの、さっきはありがとうございました!」
突如路地裏に引っ張られたルークだが、その引っ張られた張本人から礼を言われていた。その人物はというと、さっきあの三人組に脅されていた黄色いリボンで長い桃色の髪を結った少女だった。
「あ〜…いやいや、気にすんなって。あの糞犬親父共がムカついただけだから!」
いきなり引っ張られて驚いたが、てっきり逃げ出したと思っていた少女からお礼を言われ、さらには衛兵の目から逃れるために無理にでも引っ張ってきてくれた彼女に対してルークは気恥ずかしげに頬を指先でポリポリと掻いた。
「け、けど…女一人で出歩くのは危ねぇだろ。誰か一人くらい付き人がいた方がいいんじゃねぇか?」
気恥ずかしさから少しでも逃げようと、ルークは話を変える。すると、少女はどこか気まずさと寂しさを混ぜたような暗い表情を浮かべた。
「黄巾の乱から…ずっと一人なの。ちーちゃんと、人和(レンホウ)ちゃんがいなくなったから…」
いるにはいたのか、とルークは理解した。そして、その二人がこの少女にとって大切な人であったことを察した。
「あ…悪いな。なんか、やなこと聞いちまったみたいだ」
「あ、いえいえ!いいんです。事実だから」
逆に少女も相手の気持ちを落としてしまったかと思ってルークに気にしないでほしいと言った。
「ところで、あなたってあまりこの辺りでは見慣れない格好をしていますけど、どこかの貴族の方なんですか?」
「え!?…えっと…実は…ちょっとした事情で帰り道が分からなくなってな。今その手がかりを探してたところだ」
あながち間違いじゃなかったが、それ以前に異世界の出身だから意味がない。
(そうだ。俺考えてみれば立派な迷子じゃねぇか…!!くっそ〜、故郷とは全く異なる世界だからとはいえ、16にもなって迷子とか…)
正直自分から迷子なんですって認
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