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偶像
1部分:第一章
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れ以前から神を確信できた。彼にはそれだけの信仰が備わっているのだ。
 それ故に最早紅海のことで充分だった。マナや雨以前に。 
 しかし同胞達は違っていた。彼等はこう言うのだった。
「我等の前に姿を現して欲しいのだ」
「そして導いて降されれば」
「神は姿を現されることは」
 ないとだ。モーゼは言おうとした。しかしだ。 
 その彼のところに彼と非常によく似た濃い髭と叡智をたたえた目を持っているが彼よりは遥かに明るい顔の男が来た。そしてこう言ってきたのだ。

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