魚心あれば水心
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浮かぶ足場に着地すると、自身の魔力をさらに高めていく。
「イグニール直伝!!滅竜奥義!!不知火型!!紅蓮鳳凰劍!!」
「がああああああ!!」
全身全霊を賭けた一撃。それはマルド・ギールの腹部を見事に捉え、上空にいくつもある残骸のうち、もっとも大きな岩へと激突した。
「くっ・・・」
衝突した衝撃でバラバラに落下するナツとマルド・ギール。最後の力を込めていたこともあり、ナツのドラゴンフォースは解除され、元の姿へと戻っていた。
「まだだぁ!!」
力尽きたナツ。しかし、マルド・ギールはまだギリギリのところで堪えていた。
「貴様の肉体ごと破壊してやる!!」
頭から地上へと落ちていく火竜を掴み、彼を破壊しようと試みる。
「すげぇなお前・・・俺はもう・・・魔力・・・0だ・・・」
滅竜奥義を受けたにも関わらず、なおも戦いを挑んでくる相手に思わずナツは感嘆の声をかける。
「消えろぉ!!」
上空から地上に向かって加速していくマルド・ギール。彼はナツの体を地面に衝突させ、破壊しようと考えた。
「けど・・・俺も信じてる・・・」
二人が迫っている地上。そこでは、ユラユラと二つの人影が立ち上がっていた。
「頼むぜ!!お前らぁ!!」
託された想いをもう一度彼らへと引き継ぐ。ナツに声で動いたのは、グレイとシリルだった。
「あぁ!!」
「任せてください!!」
二人は声を大にして彼に答えると、魔力を高めていく。さらに、水色の髪をした少年は、さらなる変化を見せていた。
「バカな・・・あのガキもドラゴンフォースが・・・」
上空からでも見てとれる少年の変化にそう呟くは冥府の王。シリルは、半身を悪魔化させたまま、顔に鱗を出現させ、髪の毛を大好きな少女と同じ色にし、全身を水で包み込む。
「いくぜ!!シリル!!」
「もちろん!!」
そう言うと、グレイは氷の弓と矢を作り、シリルは水と風を片腕へと集中させていく。
魔法の体勢に入ってからは互いに一切視線を交わすことはしない。そうしなくても、相手がどのタイミングで打とうとしているのか、彼らにはわかっていたからだ。
「氷魔・零ノ破弓!!」
「滅悪竜奥義!!水中天嵐舞・改!!」
全く同じタイミングで放たれた二人の魔法。それは、ナツの頭を掴んでいたマルド・ギールの体を貫いた。
「うああああああああ!!」
悪魔を滅する魔を保有している少年たちの全力を喰らった絶対の悪魔は、言葉にできないほどの激痛に絶叫する。
そんな中、三人の妖精は、全員の力でもぎ取った勝利に、笑みを浮かべていた。
『キョウカ』
『ご安心を』
シリルたちがマルド・ギールを破ったちょうどその頃、フェイス発動の魔水晶
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