魚心あれば水心
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れぞ究極の呪法、メメント・モリ」
余韻に浸りたいのか、跡形もなくなった敵が元いた場所を見下ろすマルド・ギール。しかしその時、そのクレーターの中央の地面が大きく盛り上がった。
「!!」
下から何かが地面を突き破ったことで、周囲に砂煙が立ち込める。それが晴れると、大地を突き破ったものの正体が明らかになる。
「あ・・・あ・・・」
信じられない光景に口を開き、呆然と立ち尽くすマルド・ギール。その場に現れたのは、半身が黒い模様に包まれ、後方にいる火のドラゴンを守っているグレイとシリルだった。
「グレイ・・・シリル・・・」
「バカ・・・な・・・」
粗い呼吸でなんとかその場に踏み止まっている様子のグレイとシリル。ナツとマルド・ギールはその姿に、言葉を失っていた。
「半身が悪魔化している?滅悪魔法の力か!?我が究極の呪法を防いだというのか!?」
全てを無に返すはずだった攻撃。それなのに、目の前の男たちは習得したばかりの魔法を使いこなし、それを無効化したのであった。
「未来を・・・作るために・・・」
「俺たちに・・・できることは・・・」
よほどダメージが大きかったのであろう。フラフラとしながら地面に崩れ落ちていくグレイとシリル。
「ナツ(さん)を信じることだ(です)」
二人の少年は、仲間に想いを託すと、その場に伏したのであった。
「グレイ・・・シリル・・・」
そして、倒れた二人の仲間を見て、全てを託された青年は、目を見開いていた。
「人間ごときにぃ!!」
「バカヤロウ!!」
最強の技を封じられた悪魔と、自分を守ろうと己の身を犠牲にしようとした仲間に叫ぶ火竜。
「クソがぁ!!」
自身の不甲斐なさのせいで仲間が倒れたと責任を感じたナツは、怒りに声を張り上げる。その間に、再び絶対の悪魔へと変貌したマルド・ギール・タルタロスは、翼を広げ、ナツへと迫ってきていた。
「ふんっ!!」
「ぐあっ!!」
気付けば目と鼻の先にいた敵。ナツはその悪魔に、怒りの鉄拳を叩き込む。
「らぁ!!」
腕を振り切り敵をぶっ飛ばす。マルド・ギールはその威力に押され、壁を突き破りながらナツの視界よりいなくなる。
「なんだ・・・この力は・・・」
破壊された冥界島からすら弾き出されたマルド・ギール。そんな彼の顔面に、空中に浮かぶ壁の残骸を足場にやって来たナツの膝が入る。
「オラァッ!!」
「がっ!!」
膝蹴りが入ったことで上体が大きく反れる。反れた上体を元に戻した時、彼の視界に輝く炎を身に纏った竜の子の姿があった。
「ドラゴンフォースか!?」
竜の力を怒りの力により解放したナツ。彼は
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ