魚心あれば水心
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ナツを始めとした妖精たちは、不思議そうな顔をしている。
「やがて魔法は多種多様な系統へと発展していった。その歴史の中で、ENDは魔法の新たな可能性を見出だした。
呪法・・・その力の源は“呪い”、恨み・・・妬み・・・憎しみ・・・その全ての負の感情が、力となる!!
生命の本質に基づいた力」
掲げていた手のひらを強く握り締めるマルド・ギール。その言葉を受け、彼らは反論を述べる。
「くだらねぇな。だったら魔法は未来を作る」
ナツのその言葉に、シリルとグレイも賛同し、大きく一度うなずいた。
すると、マルド・ギールが何やら動く。シリルたちは攻撃してくると思い構えると、周囲から暗黒の煙が迫っていることに気付いた。
「な・・・なんだこれは?」
「霧?いや・・・」
「相手の魔法?」
どんどん近づいてくる謎の煙の正体がわからず、動揺している三人。
「逃げた方が・・・あれ?」
「体が・・・」
「動かねぇ・・・」
正体はわからないが、危険を感じ逃げようとする。しかし、その煙に体を拘束されているのか、彼らはその場から一歩たりとも動くことができない。
「魔法に未来はない。呪法こそが全てにおいて上位の力」
徐々に暗黒の煙は妖精たちの体を飲み込んでいく。三人はなんとか逃げ出そうともがくが、全く動けるようにならない。
「落ちよ、煉獄へ。これぞゼレフを滅するために編み出した究極の呪法!!」
それと同時に、辺り一面に男たちの絶叫が響き渡る。
「死の記憶」
目を光らせたマルド・ギール。彼のその光から現れた負の感情を持った人型の影が、少年たちの体へとまとわりついていく。
やがて彼らを完全に飲み込んだそれは、色を濁った緑色へと変化させ、天高く伸びていく。
「メメント・モリ!!」
そして、最強の呪法が発動された。
「不死なるゼレフを殺すには、生と死という概念ごと破壊する。この呪法を受けたものには、生も死もない。ただ、消滅する」
「未来を・・・」
「守らな・・・」
悲鳴をあげることすらできず、次第に明るくなっていく光に消えていくシリル、ナツ、グレイの三人。その中で、グレイとシリルは何かを呟いていたが、ナツはそれを聞き取ることができなかった。
「永遠に・・・無となれ」
周りを認識できないほどのとてつもない輝きが起こる。空を貫くほどの勢いで上空に伸びていたそれが収まってくると、最強の呪法が放たれたその場所は、人の一部すら残っておらず、大きなクレーターがただ存在するだけだった。
「完成したぞ。究極の呪法、メメント・モリ。後は、ENDが復活すれば、あなたを・・・ゼレフを破壊できる」
元の人間のような姿へと戻り、誇らしげにマルド・ギールは言葉を漏らす。
「こ
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