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東方現創録
博麗神社編
第二話 飛翔りんご
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ころがオレの良いところだが、冷静過ぎてもダメだ。というかさっきまで焦っていただろう。

先ほどのように願ってできるものなら、地面に落ちる直前に浮けとでも願えばいいのか。

徐々に霊夢が見えてくる。不幸中の幸い、横に流れることもなく、真っ直ぐ飛んで真っ直ぐ落ちてくれたみたいだ。

浮いてくれ。

そう願うと、まるで背中についていたパラシュートが開いたかのようにゆっくりと落ちるようになる。
光景を一部始終見ていた霊夢が、オレのことを見て目を丸くする。

「凄いわねあんた」

「お陰様で」

「いや、よく制御できたわねってことよ」

「思った通りにできただけなのだが」

「それが凄いことなのよ。それもあの短い間で」

ふわっと地面に足をつけて息を吐くと、霊夢が何やら思いついたように言った。

「それね、私の能力なのよ」

「と、言いますと?」

「空を飛ぶ程度の能力」

「つまりオレは霊夢と同じ能力を持っているということか?」

「今のところはそうとしか言えないんだけど。引っかかる点があるのよ」

あなたもわかるでしょう? と問いかける霊夢に、一緒に空を旅したフォークを見せつける。

「こいつだよな」

「そう、正確には、私が口をつけたフォーク。私の"唾液"が付いているというのが一番かしら」

「吸収した、ということか?」

「そう言うことになるんだけど... 私だけじゃまだ確定は出来ないわね。それこそ、なんでそうなるのかも不思議で仕方ないわ」

そう言い残して地面に置きっぱなしの皿を手に家へ戻って行った。そんな霊夢の後ろ姿を見ながら、オレは考える。

まだ定かではないが、今回は対象の能力を持った人物の唾液を摂取し、その能力がこちらに感染る。即ちコピーであると考えられる。
唾液だけじゃなく、何か対象の能力を持った人物の何か... 言ってしまえば血液や体液だとか、そう言うものを摂取し、能力をコピーできるのかもしれない。

霊夢風に言うのなら。

『能力をコピーする程度の能力』

と言ったところか。

気は進まないが、今後見つけた能力者から唾液でも貰って試してみようか?

先ほどコピーした飛ぶ能力を使い、居間に行こうとするも、飛ぶことは愚か、重力を消すことすらできなくなっていた。
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