博麗神社編
第二話 飛翔りんご
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には念を入れよう。
何処で覚えたかも知らない体操を、無いはずの記憶の引き出しから引き出して順に身体を動かすも、何かとそれが楽しくて夢中になって体操をする。
と、そうこうしている間に霊夢が戻ってきて、
「じゃあこれ」
そう言ってオレに近づき、居間で飛んだ時に食べた物を持ってきた。それこそ、同じようにフォークで刺し、同じ皿に乗せてだ。
「そのまま持ってきただけなんだけどね。さっきの状況を再現してみてよ」
まぁつまりは霊夢が言ったままであり、同じことをする為である。
霊夢から皿を受け取り、その場に胡座をかいて座る。
「フォークもさっき使ったままよ。なんならもっと再現する為に一度私が口つけてやろうかしら」
などと冗談を添える霊夢を無視してフォークを使ってりんごを食べる。と...
若干、ほんの若干でなお一瞬だ。胡座をかいて座っていた足に重力の重みを感じなくなり、岩畳に圧される感覚が消えた。
だが、居間での出来事とは程遠く、先ほども言ったよう重力を感じない程度でしかない。成功でもあるが失敗と言えよう。
「どう? って言っても、浮いてなかったし聞くまでもないのだけれど」
「浮いたと言えば嘘になるが、効果がなかったと言っても嘘になる」
「つまり何が言いたいの」
「重力を無効化した、とでも言っておこう」
うーん、と唸りながら顎に手を当て何やら深く考えている霊夢は、オレの手からフォークを奪い取り、"舐めた"。
もう一度言う、舐めた。
「な、何をやってるんだ? 『舐めてるだけよ』なんて言わないでくれよな?」
「わかあお? ほんああけあいえひょ(バカなの? そんなわけないでしょ)」
「舐めながら言うな」
ちゅぽんっとフォークを口から離すと、無駄に唾液のついたフォークでりんごを刺し、オレの口の中に突っ込んだ。
急な出来事で、はぐっ!? などと変な声をあげるオレを無視し、りんごを食わせる霊夢。一体何を考え...て......
「なるほど」
「うわぁぁぁぁあぁあぁあああぁぁぁぁあ!!」
霊夢がどんどん小さく見える。それも物理的に、自分が遠くへ行っているからである。地面を走っているとかではなく、言ってしまえば空気を蹴って空高く舞い上がってる最中だ。
これだけの勢いを、天井のある場所で行ったらそりゃ痛いに決まっている。じゃなくて、今はそんなこと考えている場合ではない。あわよくば...いや運が悪ければ、雲をも超えてしまう。
降りろ、降りろ!
無我夢中でそう願うと。重力が反転した。
いや違う、本当ならこれが正しい。地面に向かって落ちるのは正しいことなのだから反転したのではなく戻ったのだ。
だが...
「これ、死ぬよな」
冷静さをかけないと
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