暁 〜小説投稿サイト〜
東方現創録
博麗神社編
第二話 飛翔りんご
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んごを口に含む霊夢。

「ん? 使う? 普段使わないからこれ一個しかないけど、はい」

特に何も考えずにりんごを食べる霊夢を見ていただけなのだが、フォークを使いたいのと勘違いされ、フォークを押し付けられた。
押し付けられたなんて表現をしたら迷惑みたいだが、別に迷惑ではない。

「ありがとう。使わせてもらう」

フォークを使い、りんごを口に含み、手でもいいのだがという言葉をりんごと一緒に飲み込み、口には出さなかった。

瞬間、目線が高くなり、時の流れが遅くなった気がした。と当時に頭の天辺から足のつま先まで激痛が走り、目線が戻り出そうとまた時の流れが遅くなったように視覚する。
二度目の激痛がダイレクトに腰へぶつかったあと、目の前で口をポカンと開けている霊夢が目についた。

「な、なぁ霊夢」

「は、はい?」

「オレ、今どうなったよ」

「飛んだ、文字通り」

「なるほど」

ポンっと拳を作った手を平の手に乗せたあと、炬燵に足を突っ込み、テーブルに置いてあった二つの湯呑みのうち、オレの近くに置いてあった湯呑みを手に取り、ホッと。

「ホッじゃないわよ! なにさらっとなかったことにしてんの!?」

「それで霊夢、能力について聞きたいのだが」

「いや流石に今のはなかったことにできないからね!?」

「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」

「あんたも十分ガキよ、そして私も今あなたを嫌いになったわ。そんなことより、なんで飛んだのよ」

さぁ? とばかりに両手を挙げて首を振る。

「考えたくないけど、りんご食べると空飛ぶ能力とかそんなんじゃないわよね...?」

ないとは言い切れない。何しろオレは自分の能力が何かも分からなければ、あるかどうかも定かじゃない。
ふむ、でもそうなると...
湯呑みを炬燵の上に置き、指を顎の下に持って行き、ちらりとりんごを見た。

「多分、考えてることは一緒のはずよ」

「なら外に行こう、またあの激痛を味わうほどの勇気はない」

全く... これで二回目だぞ。
二回目...?







■■■





「それじゃ、試しにこれ」

ひょいっとこちらに投げて渡してくるりんごを受け取り、一口囓る。
しかしなにも起こらない。

「何も起こらんぞ〜」

居間へ繋がる縁側に座りお茶を啜る霊夢とは少し遠い場所にいる為、声を大きめに発言する。
同じよう声をあげる霊夢は、

「飛んだとき何考えてた〜?」

「りんごうめぇ」

「脈なしね」

そう言われても困る。オレだって飛びたくて飛んだんじゃないしな。
それじゃあ、と言って居間に入っていく霊夢。
その間に一応身体を解す為に準備体操をしておく。念
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