第60話 誠を纏いて
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ていた。
「待たせたな、近藤さん」
土方はその人影に近づき声をかけた。
「トォシィーー。待ちくたびれたよぉー」
近藤は土方の方の見つめ、歯をむき出しにして微笑んだ。
「どうやら、原田君はいい伝言役になってくれたらしい」
「近藤さん。新撰組局長である貴方が化け物に成り下がるとは、なんたる様か」
土方は冷静さを保ちつつ、近藤を睨みつけた。
「ハハハハ、俺が化け物なろうがなかろうがそんなことは関係ないことだ。俺はなぁ、とし、お前と真剣に戦いたいだけなんだよ」
近藤は待ち望んだ土方との戦いに胸を躍らせる気持ちでいっぱいになっていた。
「そうか、近藤さん。それがあんたの誠なんだな?」
土方の問いに近藤は無言でうなずいた。
「わかった。なれば、俺も本気になろう」
土方は典太を抜いた。
「おぉ、とぉしぃーー!!まさに本気だなぁー!!」
近藤は喜びのあまり大声を張り上げた。
「今宵の虎鉄はお前の血を吸いたがっている」
近藤もまた愛刀・虎鉄を右手で抜き、右腕を垂らすように刃先を地面に向けて構えた。
「近藤さん、死ぬのは貴方だ」
土方は典太を正眼に構えた。
じりじりと二人は距離を詰めて行った。雨は勢いを増していた。
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