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愚君の片思い
1部分:第一章
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対立していた。女帝は常にこう言っていた。
「あの男だけは許してはなりません」
「プロイセン王はですね」
「断じて」
「あの男は女は子供を産む為だけの道具と言っていました」
 女帝も女である。言うまでもなく。
「そしてポーランドに介入しようとしています」
「我々が狙うロシアを」
「そうしていることもあり」
「プロイセンは討ちます」
 何としてもだというのだ。
「さもなければロシアにとって後々大きな禍根になります」
「ではこのままオーストリアと協同してですね」
「プロイセンを討つ」
「そうされますか」
「幸いオーストリアだけではありません」
 プロイセンと対立する、そしてプロイセン王を憎む国はだというのだ。
「フランス、それにスウェーデンもです」
「バイエルンとザクセンもオーストリアについたそうですね」
「ではプロイセンは袋の鼠です」
 プロイセンは急激に勢力を拡大していた。それが為にだ。
 これまで共同してオーストリアと対していたザクセンやバイエルン、そしてオーストリアの宿敵であるフランスまでもがだ。一斉にプロイセンの敵に回ったのだ。

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