機動戦艦ナデシコ
1380話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「アクセル代表、今日は素晴らしい体験をさせて貰った。感謝しているよ」
そう言って上機嫌に笑いながら握手を求めて来たのは、グリューノだ。
量産型Wが操るワイバーンに乗る事が出来たのが、余程嬉しかったのだろう。
そんなグリューノの近くでは、ミスマルがユリカに対するお土産としてダチョウの肉を買ったとヨシサダに話しているんだが……いいのか?
いや、実際ダチョウ肉というのは美味いのは事実だし、お土産として喜ばれるかもしれないというのも分かる。
だが、それと同時に一般的な食材でないのは事実な訳で……
そもそも、ユリカは料理とか出来たのか? 何だか以前、テンカワに料理を作って悶絶させたとか何とか聞いたような覚えがあったんだが。
ああ、いや、でもテンカワに料理して貰うのであれば、ダチョウ肉というのはいい選択なのかもしれないな。
テンカワもコックを目指しているというのは今も変わらない筈だ。
そうなれば当然未知の食材というのには興味を持つだろうし、料理してみたいとも思えるだろう。
テンカワの師匠のホウメイとかなら、ダチョウ肉を料理した事があるかもしれないし。
テンカワの作った料理を食べられるとなれば、ユリカにとっても嬉しい筈だ。
父親のミスマルにとってはあまり嬉しくない展開かもしれないが。
どこからどう見ても親馬鹿なミスマルだけに、当然娘の恋人候補のテンカワにいい感情を持つ事は出来ないだろう。
自分の買ってきた土産が2人の仲を進展させるような事になったとなれば、どう反応するのやら。
……少し見てみたいと思うのは、悪趣味か?
そんな風に考えながら、グリューノへと頷きを返す。
「喜んで貰えたようで何よりだ。地球と木連が停戦して和平を結べば、ナデシコ世界の地球とも異世界間貿易の条約を結ぶ事が出来るようになるだろう。そうなれば、地球や木連からもホワイトスターに来る事が出来る者が増えるだろうな。同時に、以前も言ったようにホワイトスターを経由して他の世界とも交流出来るかもしれない」
その言葉に、グリューノだけではなく少し離れた場所にいる草壁までもが俺の方へと視線を向けてくる。
色々と気になっているのは間違いない。
ただ、向こうにとっても今日行われた会談のように気軽にも停戦して和平を……とはいかないってところか。
100年に渡って地球へ募らせてきた憎悪の類は、そう簡単にどうにか出来るようなものではない。
草壁自身はシャドウミラーとの関係に気を使っているように見えるんだけどな。
ただ、俺を襲ってきた暗殺者をあっさり殺されてしまっていたりと、詰めが甘いところがある。
……それでも草壁が現在の木連の実質的な指導者である以上、切り捨てるなんて真似は出来ないが。
いや、寧ろそういう草壁ながらエ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ