暁 〜小説投稿サイト〜
白と黒の聖杯戦争
第0話 僕の物語
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『世界が終焉を迎える時、世界はまた新たなる時代が幕を開ける』
どこかの国の滅亡の予言でこんな事を言っていた気がする。この予言は当たったのか、当たっていないのか、きっと当たったのだろう。

ある国の国を挙げた年に一度の大きな祭典が開かれた。あまり大きくないその国にとっては毎年すべての国民がその祭典を楽しみ、その期間は朝も昼も夜も関係なしに盛り上がりを見せる。その日は無礼講だ、王族だろうが、貴族だろうが、農民だろうが、貧民だろうが、誰もが平等にその祭典を楽しむ。

今年も祭典は開かれた。何日も前から国民は浮かれていた。ただ、僕はあまり乗り気ではない。いつもの毎年やっているものとなんら変わりはない、だが、王、つまりは僕の父が『今年はいつも以上に愉しき祭典になる』と言えば国民はすべてそれを信じる。しかし蓋を開ければ全てウソ、誤魔化しでしかない。例年何も変わってはいない、どうして誰も気づかない?この誤魔化しを、この詐称を。そして僕は呆れ自室へと入った。途中唯一の弟に声をかけられ誘われたが、それを断った。外が騒がしい中一人で暇を持て余していた、ただただベットに仰向けで寝転がっていただけだった。そして右手の甲を顔を前まで動かした。いつからだろうか、いつの間にかあった右手の甲に奇妙な印が浮かんでいた。父にも母にも弟にも、もちろん城の中にいる者誰にもこのような印を持つ者はいなかった。すべて謎でしかないこの印を眺めながらふと意識が飛ぶように眠りについた。

ピチャンピチャンと水滴が落ちるような音で目が覚めた。雨でも降ったのか?と思ったが違うようだ、というより目覚めた場所はトイレの個室だった、しかも何人も使える広い所のだった。そして何か生臭いような異臭が鼻の奥を刺激した、それから逃げるように個室から出た。しかしそこに広がっていた光景は、洗面台の上に心臓部分や腹部、腕などを刺傷がある父と弟が血をポタポタと滴り落としながら座っていた。ひと目で死んでいるのがわかる、今まで色々な事があり過ぎて気が付かなかったが、僕の体にも大量の血がついていた。まったく脳の処理が追いつかない、声が出したくても出せない、動きたくても動けない、そこで呆然と立ち尽くしその死体を見ていた。視線をずらすと血で汚れた鏡に狂気に満ちた表情が1つあるだけだった。

この状況はすぐに見つかった。案の定すぐに僕は殺人や疑いをかけられた、まあ火を見るよりも明らかだっただろう。しかし、祭典中しかも王族の子を死刑にするわけにもいかなかったのだろう、僕は城の地下深くに閉じ込められるだけだった。ただその年数は二百年を超えおり、実質の死刑宣告だった。国民にも母を残し三人とも亡くなったと報告したようだった。そして僕は抜け殻のようになった、でも、二年後僕は地下から出されとあるゲームに参加させられる事となる。あの印に導かれる
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