第58話
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「警察とルバーチェの微妙な関係はもちろん自分もわかっています。捜査令状がない状態で家捜ししたらどんな反撃材料を相手に与えるか……そのリスクも承知しています。」
「ロイド……」
「クッ……だったら何故、そんな無謀な事を言い出す!?」
「”それどころではない状況”になっている可能性が高いからです。―――昨日から今朝にかけて明らかになった事をお伝えします。」
ロイド達は蒼い錠剤が、6年前に壊滅した狂気の教団が作りだした薬物である可能性が出てきたこと……そして薬を使用していた人間達が一斉に姿を消したことを説明した。
「し、信じられん…………その教団の話は聞いた事があるがてっきり壊滅したものかと…………いや、しかし………」
ロイド達の話を聞いたダドリーは信じられない表情をした後考え込み
「ちなみにこれは推測だけど、ルバーチェが消えた理由と爆弾予告で捜査一課を動かしたのも全て”教団”の残党の仕業だと思うわよ?」
「なんだとっ!?……………い、いや確かに貴様のその推理なら納得できる部分があるな。”教団”は各国の一部の有力者達の援助を受けていたという話もあったからな………もし、その繋がっていた有力者がルバーチェと関わり合いのある議員なら……!」
レンの推理を聞いて驚いた後すぐに推理を始め、表情を歪めた。
「事は人命に関わる話です。もしかしたら失踪者達の情報がここに残されているかもしれません。ダドリーさんが納得できないのならせめて俺達の……いや―――俺の独断専行でこのまま見逃してくれませんか?」
「……………………………………」
更にロイドの提案を聞いたダドリーは呆けた表情でロイドを見つめた。
「おいおい、自分一人で責任を被ろうとしてんじゃねえよ。」
「当然、私達も付き合うわ。支援課が取り潰されたとしても見過ごせる状況じゃないもの。」
「ま、今回の件はレンも見逃すことなんてできないから、多少のリスクくらいは一緒に背負ってあげるわ。」
「ええ、一連托生です。」
「みんな…………」
仲間達の心強い言葉を聞いたロイドは振り向いて仲間達を見つめ
「……フン……血は争えないものだな。その強引さ……ヤツにそっくりじゃないか。」
ダドリーは鼻を鳴らした後不敵な笑みを浮かべてロイドを見つめた。
「え………」
ダドリーの言葉にロイドが驚いて振り向いたその時、ダドリーは眼鏡をかけ直した。
「―――違法捜査による証拠物件は法的な証拠能力を認められない。連中がどんな証拠を残していても見て見ぬフリをする必要があるぞ?」
「それは………構いません。今、必要なのはこのクロスベル市において何が起こりつつあるのか……それを見極める事ですから
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