インターミドルに向けて
二十四話
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イスを頂こうとする身の上で、頷くことなんてできやしない。それに、可愛いので気に入らないわけではないのだから。
意を決するように頷いて手を伸ばすと、猫型デバイスは待ってたかのように尻尾を振り、その手に乗った。
「次はアレきゅんやな」
目を合わせたはやてに対し、アレクは頷く前に確認したい事があった。
「ほんとにただで……?」
「ええよ。でもそこまで言うなら……」
「言うなら……?」
「インターミドルで戦う姿見せてくれる? それを代金にしよか」
二コリと笑うはやてに、アレクは神妙に頷いた。そして箱に手を伸ばし、そこで止まった。
チラリを隣を見ると、撫でるアインハルトの姿が目に入る。
もしや、自分も動物型のデバイスなのだろうか。この図は女ならまだしも、男がやったら絵にならないだろう。アレク自身も、縫い包み等に戯れる趣味はない。
「どうしたんアレク?」
「な、何でもございやせん! 開けやす!」
催促を促すように聞こえたアレクは、ええぃままよと蓋を開ける。どうか動物型は勘弁してください、何でも、何でもしますから! とコレでもかというくらいに思いながら。
しかしそこに居たのは――――
「………………蛇?」
――――紅く長い胴をした蛇が蜷局を巻いた状態で収まっていた。
「ちゃうよ。モチーフは蛇じゃなくて龍やよ」
「龍……?」
「アレきゅんのは何がいいかなーってルー子と話してたら、龍っぽいの出してたから龍がいいんじゃないかって事になったんよ」
「へー……」
はやての説明を聞き流しながらアレクは、視線の高さまで身体を伸ばした龍と見つめ合う。
よくよく見ると2対の翼と4本の足らしきものが見えなくもない。だが、なんか妙に可愛らしい感じなのはどうなのだろうか。クリリとした目は如何なものか。というか、龍とはこんなもんだったのか?
「アレきゅんも気に入ったようだし、マスター認証しよか。アインハルトも」
「はい」
「じゃあ庭でやるですよー!」
案内するリインに続々と席を立つが、アレクは固まったままだった。
そして来ないアレクを不審に思ったノーヴェが声を掛け、漸く再起動した。口だけが。
「お前、龍……か?」
「がぁー」
返答が頭に空しく響いた。
◆ ◇ ◆
庭に出て認証を行うこととなったが、手にしたデバイスは個体名称すらも設定されてない状態。名称を考えることから始めなければならなかった。
前世の記憶があるアインハルトはまだしも、名称なんて考えた事もなかったアレクは難儀する破目に。
よって先程と同じアインハルトからの認証となった。
アインハルトは決めた名称を、次いで愛称を呼んだ。
「個体名称アスティオン、|愛
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