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授業なんてどうでもいい、なくてもいい
多田くんはーー
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て、勢いよく観葉植物を抜いた。

 そこで、私の狙いに気づいた桐山くんと倫子も私と同じく植木鉢を手に取った。私は植木鉢を持って再び走った。視界の先に、焼け苦しんでいる照原くんが身体をくねらせている。結局、服は脱げていない。まだ焼かれている。そんな彼の姿を近くで捉えた途端、身体が震えた。恐怖が身体の芯を凍りつかせた。ダメだ。早く。早くしないと。

 「三ツ橋!」

 桐山くんが叫んだ。気づくと、桐山くんがすでに照原くんの身体に土を被せていた。ハッとなり、私はもつれる足を必死に動かした。そして、照原くんに言った。

 「顔を下に向けて!」

 言われた通りに照原くんが顔を下に向ける。その上から、私は土を落とした。それに続いて倫子、常盤くん、塩屋くんたちも同じ動作を繰り返す。

 観葉植物用の土を身体や髪に被せたおかげで、照原くんにまとった炎は鎮火した。20分後、警察と救急車が多田家に到着し、私たちは事情聴取を受けることになった。当然、バーベキューは中止となった。

*****

 照原くんが燃えた理由は、彼がチャッカマンのスイッチを押したまま、飛び回る蚊やハエを叩こうとしていたからだった。照原くんの容体は安定しており、髪の毛がチリチリに焼けてはいるが、身体は軽い火傷で済んだ。意外と燃えているように見えたので、本当に間に合って良かった。

 それを聞いた多田くんが心底安心したように長い息を漏らすと、病院の待合室にも関わらず、「照原だからって自分が照ってどうすんだよバーカ!!」と本気の大声を出して当然のごとく怒られた。多田くん曰く、「脱力しすぎて腹が立った」らしい。

 全ての事情を知った警察からは「火を扱うときは常に周りに注意しておくべき」と軽くお咎めをいただいた。確かに、単にバーベキューをやるとしか考えていなかったので否定できなかった。考えが甘かった。

 とはいえ、警察は私の行動について評価してくれた。良い機転だ、いつか警察に来ないかと薦められたが丁重にお断りした。その代わり、体育会系の桐山くんを推薦しておいた。「なんでだよ」と苦笑する桐山くんが、前より身近に感じられた。

 後日、倫子と一緒に照原くんのお見舞いに行った。照原くんは頭に包帯を巻いていた。また、シャツで見えないが身体にも包帯が巻かれているらしい。寝そべると背中が痛いし、動くと全体的にジンジンするしダリいと照原くんは文句顔で言った。

 倫子が少し口を尖らせた。

 「でも自業自得でしょ。照原くん自分から燃えに行ったんだから」

 「別にやりたくてやったわけじゃねぇよ。つか、『燃えに行く』とか言わないで。なんかバンジョー思い出す」

 「それは『萌えに行く』でしょ」

 照原くんは、数時間前に多田くんがやって来たことを話した。彼に
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