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授業なんてどうでもいい、なくてもいい
多田くんはありえない
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 倫子がツボに入って高笑いし、図書館の先生に追い出されたのはそれから2分後のことだった。モンゴルが寂しそうに笑った気がした。

*****

 やむを得ず図書室を後にした私たちは、適当に校内を歩きながら時間の消費方法について語っていた。そして、最終的にのんびり多田くんの家に行くことに決まった。

 階段を片足だけで降りるという奇行をする倫子が言った。

 「普通に歩いて20分くらいだから、のんびり3時間くらいかけて歩こう」

 のんびりのレベルがえげつない。通常の9倍近く時間をかけるなんて、ナマケモノもびっくりのスローモーションだ。

 「多田くん家までにファミレスとか時間を潰す場所ないの?」

 「うーんとねー、廃工場と廃線跡と廃公園くらいしかないかな」

 多田くんの住む場所ってそんなに廃れているのか。バーベキューをする場所に適している気がしない。

 校舎を出て、いつもの通学路とは反対の方に足を運ぶ。真横を通り過ぎていく車が相変わらず危ない。ここの道はもう少し歩行者に優しくなるべきだ。

 倫子が鉄柵越しに左手のテニスコートを眺めている。

 「早いねえ。もう来年の今ごろには大学生かもしれないんだよね」

 「倫子はどこの大学に行きたいんだっけ?」

 「まだ決まってなーい。江藤に『少し焦りなさい』って言われたけど、やっぱりまだ実感湧かないんだよなあ。まだまだ高校生じゃん、って開き直れちゃう」

 「その気持ち分かる」

 中学の3年間は呆気なかった。でも、高校の3年間の方がもっと呆気なかった。つい最近に入学式を終えたかのように、1年生のときの出来事を細かく覚えている。振り返れば、私たちは去年の3月まで1年生だったはずなのだ。それが今はもう受験生。実感が湧かないのも無理はないと思う。

 倫子が言った。

 「だからさ、咲良もちゃんとパートナー捕まえた方がいいよ」

 「パートナー?」

 いきなり話がぶっ飛んだ。何のことだ。

 「そう。受験シーズンになったらいろいろと大変になるでしょ。学校でも塾でも家でもずーっと勉強。もうストレスすごそうだよ。でも、そういうときに素直に相談できる人がいれば少しは楽になるんじゃない?」

 倫子がいるから相談相手はいらないけど、と言おうとして口を噤んだ。今の倫子には彼氏がいる。学校ではいつも一緒にいるけれど、今までのように一緒に遊びに行ったり放課後どこかに寄ったりする時間は少なくなるかもしれない。受験期になれば尚更だ。

 「そうだねえ、パートナー必要だねえ」

 だから私は上の空のような調子で倫子の言葉に賛同した。心の中で、パートナーっておばあちゃんみたいな言い方だな、と思いながら。

 倫子が私の目を覗き込んで、ゆ
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