三つの楔
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ハッ!!真に強いギルドだと?我は悟った!!そんなものは存在せぬ!!最強とは個!!我が意志のみ!!」
「いや、あるよ。強いギルドが」
「すごく近くにな。俺たちは幸せだ」
「こんなにも強くて、優しくて、真っ直ぐなギルドに出会えた!!」
「腑抜けが!!」
太く、鍛え抜かれた腕を振るうジエンマ。その一撃はスティングたちの肩を捉え、彼らのそこから鮮血が吹き出す。
「個が最強なり!!他人への依存など、弱弱弱弱弱!!弱者の極み!!」
なおも自らの考えを押し通そうとするジエンマ。しかし、それは彼らも同じことである。
「それでも!!俺たちは、誰かのために生きて・・・生きるために、誰かを愛するんだ!!」
「妖精の尻尾のように!!」
「強く!!」
「ほざけぇぇぇぇ!!」
互いの感情がぶつかり合う両者。その中で三大竜は、己の意志を貫くために動く。
「あんたの歪んだ傷口を縫う!!」
「俺たちの三人の・・・」
「三大竜の楔でな!!」
この時、三大竜の意志は一つになった。元々コンビネーションには優れていた彼ら。そしてそれは、仲間を想う力によって、よりいっそう輝きを増していた。
「「「白幻影竜の?!!」」」
三人の攻撃が、ジエンマの体を激しく切りつける。
「バカな・・・」
まさか自分が彼らにやられるとは考えもしなかったジエンマは、口から血を吐き、その場に崩れ落ちた。
「「「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」」」
呼吸を乱し、肩で大きく息をしている三大竜。彼らは過去の忌々しい記憶とのケリをつけたことで安心し、限界を迎えたところでゆっくりと地面に倒れる。
「やったぜ・・・」
「後は・・・」
「頼ん・・・だ・・・」
地に伏したグラシアン、ローグ、スティングの三人。彼らは上空で戦う三人の妖精に、全てを託した。
マルド・ギール・タルタロスの攻撃にされるがままのシリルたち。その中で、一番敵に近い場所にいる氷の魔導士が、敵の足を掴む。
「!!」
グレイがマルド・ギールの足を掴んだことで彼の後ろにいるシリルとの間に若干のスペースが空いた。彼はその隙を見逃さず、ナツと共に左右に散ると、敵の背中を取る。
右と左、そして正面。それぞれの角度に散らばった三人の妖精は、自身の腕に魔力を纏わせ、それを悪魔へと叩きつけた。
「「「おう!!」」」
三人の虎の想いを受け取った妖精たち。敵の野望を打ち砕くため、最後の戦いが幕を開ける。
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