三つの楔
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同様に掴むと、彼と同じ方向へと投げ飛ばす。
「これが、冥府の門の向こう側の世界」
投げられた三人は壁に打ち付けられるように衝突する。マルド・ギールはその中で一番上になっているグレイの頭を掴むと、三人の体を削り取るように壁を擦りつけながら進んでいく。
「「「うあああああああ!!」」」
あまりの激痛に悲痛の叫びを上げるシリルたち。マルド・ギールはその声を聞き、さらに速度を上げていく。
「削り取ってやろう。貴様らの感情までも」
自分たちに抗った人間たちに知らしめるため、悪魔はその力を存分に使い、シリルとグレイ、そしてナツの意志と肉体を削り取ろうと攻めた。
「ぬおおおおお!!」
地面に突き刺さるジエンマの拳。スティング、ローグ、グラシアンはそれを回避すると、かつてのマスターを鋭く睨み付ける。
「あんたが・・・お嬢を巻き込んだのか?」
「よくよく使えぬ小娘よ。悪魔の力でも与えられれば、少しはマシになると思ったが、弱者は弱者のままだったようだな」
ジエンマはミネルバを幼き頃から徹底的に指導してきた。だがそれが原因で、彼女の性格は歪んでしまい、大魔闘演武の際のような卑劣な行動を取るようになってしまったのである。
「ふざけんなよ!!」
「自分の娘だろ!!」
「娘・・・か」
自分の娘を悪魔にするなど、普通ならやれるはずがない。それが親心というものだと思ったグラシアンとローグが怒声を上げる。だが・・・
「否!!」
その想いは、目の前のひねくれた強者には届かなかった。
「我が最強の血を後世に残すためだけの――――」
「黙れぇ!!」
自分の子供を子供とは思わず、ただの道具と見ているジエンマに、スティングは怒りの拳を叩き込む。その怒りが通じたのか、ジエンマは膝をつき、後方へと押される。
「効かぬ!!」
「うわぁ!!」
だが、それでジエンマが倒れることはない。すぐに立ち上がった彼は、魔力の塊でスティングをすぐさま攻撃する。
「どこを見てる」
「!!」
ジエンマの真横から聞こえる声。しかし、その声の先には誰もいない。なぜならその男は、その声の反対側に立っているのだから。
「お前がしてきた行いの報いを受けろ」
そう言うとグラシアンはある人物へと変身する。長い黒髪でお団子を作った、中華風の服に身を包んだ、彼らのギルド最強の魔導士。
「消えろ!!」
ジエンマを球体に閉じ込め、その空間を爆発させるミネルバ。彼は敵の娘であるミネルバの力で、ジエンマを倒そうと試みた。
「その程度か?」
「!?」
しかし、その攻撃は微
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