三つの楔
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ん」
「きっちり片付けて、お嬢をギルドに連れて帰ろうぜ!!」
なおも強者の余裕を見せるジエンマ。それに対し三大竜は、臆することなく向かっていく。
「やれやれ、まだ感情面の調整が不完全だな」
怒りにも似た感情を見せ、スティングたちと互角に渡り合うジエンマを見て、マルド・ギールはため息をついていた。その悪魔の前に、三人の妖精が立ちふさがる。
「もう守ってくれる兵もいねぇ」
「お前は俺たちが――――」
「自惚れるのはまだ早い」
悪魔に対して絶対的な力を誇る滅悪魔法。それを駆使しマルド・ギールを圧倒していたグレイとシリル。だが、マルド・ギールは彼らを倒すために、ついに本気を見せる。
「その力、マルド・ギールの真の姿の前でも、通用すると思っているのか?」
自身の力をみるみる高めていくマルド・ギール。それと同時に、彼の体につけられた傷が、次第に癒えていく。
「傷が・・・」
完全にダメージを修復させたマルド・ギール。次第に彼の体にも変化が起こる。手が、腕が、足が・・・人間と同じ姿だった彼の体は、翼の生えた悪魔へと変化した。
「400年ぶりにENDが目覚めるのだ。マルド・ギールも目を覚まそうではないか」
エーテリアスフォームへと変化したマルド・ギール。その目は、正面にいる三人の妖精へと向けられる。
「我が名は、マルド・ギール・タルタロス。冥府の王にして、絶対の悪魔)
先程までよりもさらにプレッシャーを上げる敵に、シリルたちは飲み込まれそうになる。
「ナツ、シリル」
「はい」
「わかってる」
腕に氷、炎、水と風、それぞれの属性を纏わせ、敵の跳ね上がるプレッシャーに負けまいと意識を集中させる。
「妖精の尻尾の名にかけて、お前を倒す!!」
「来い。人間ども。これが最後の戦いだ」
にらみ合う両者。先に動いたのは、三人の妖精たちだった。
先手必勝と言わんばかりに絶対の悪魔に向かうシリルたち。マルド・ギールはそれに対し、両手と翼を大きく広げると、先程までとは比べ物にならない速度で荊を作り、三人へと解き放つ。
「凍り付け!!」
「燃えろ!!」
「砕け散れ!!」
交わる三人の腕。彼らの魔力は迫り来る荊を、瞬く間に無効化する。
バサッ
しかし、それは敵の予測のうちだった。崩れ落ちる荊の上から、翼をばたつかせる音が聞こえそちらを向くと、こちらに向かってくるマルド・ギールの姿が見えた。
「うおっ!!」
すると、悪魔はナツの頭を掴むと、岩の壁に向かって彼を投げ捨てる。
「ナツ!!」
「ナツさん!!」
投げ飛ばされた青年に視線を向けたグレイとシリル。だが、そんな余裕はなかった。マルド・ギールはすぐさま二人をナツ
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