三つの楔
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それはまたしても、全く同じ形で打ち破られてしまう。
「運命は実に面白いだぁ?こっちは面白くも何ともねぇよ!!親父の願いのために・・・」
「親父?」
「お前たちを滅ぼす!!」
シルバーの意志を受け継ぎ、家族を奪った悪魔たちを倒そうと決意したグレイ。彼の氷がマルド・ギールの腹部に突き刺さる。
「シリル!!」
「はい!!」
隣にいる、自分と同じ魔法を持った少年に声をかける。シリルはそれにうなずくと、二人は同時に地面を蹴り、マルド・ギールに迫る。
「くたばりやがれ!!」
「喰らえ!!」
互いの背中を合わせ、悪魔の上から襲い掛かるグレイとシリル。だがその時、一つの影が交差しようとする三人に迫っていた。
「氷魔・零ノ太刀!!」
「水中天嵐舞・改!!」
トドメの一撃を放ったグレイとシリル。だが、その攻撃は、間に入った大柄な男に受け止められてしまった。
「「!!」」
突然割って入った男。その男が手のひらを向けると、グレイとシリルは吹き飛ばされる。
「うおっ!!」
「うわっ!!」
「グレイさん!!」
「シリル!!」
地面を転がる二人の妖精。マルド・ギールは己を救った男を見て、ニヤリと笑みを浮かべている。
「間に合ったか」
「一人増えた。つーか、この匂い・・・」
「そんな・・・」
「あぁ・・・」
「ウソだろ・・・」
鼻をヒクヒクとさせたナツ。彼はたった今現れた男を知っていた。そして、彼よりもその男と関わりのある三人は、その姿を見て冷や汗を浮かべている。
「人間たちのギルドの頂点にいたもの。さすがに、良き悪魔へと転生した」
胸につけられた巨大な傷。長く伸びた真っ白な髭。そして、首にかけられた赤い巨大な数珠。
「ジエンマ」
その男は、かつて最強だった頃の剣咬の虎のマスターだった、ジエンマだった。
「マスター・・・」
「「・・・」」
彼に恐怖によって支配されてきた三大竜は、その姿を見て背筋を凍らせている。
「あいつ・・・あの時の・・・」
「剣咬の虎のマスターなんですか?」
ユキノの一件で剣咬の虎に殴り込んだナツと、大魔闘演武のスタンドから異様な雰囲気を醸し出していたことをよく覚えているシリルはそういう。
「ミネルバと一緒に、悪魔にされてたのか」
「されてた?違うぞ。自ら望んでこの力を手に入れた。すべては、最強に至るために」
キョウカに捕まって悪魔へと転生させられたミネルバ。だがジエンマは、自ら望んで悪魔になったという。それを聞いた三大竜は、皆正気とは思えぬ行動に驚くしかできなかった。
「十鬼門を遥かに凌ぐ力を持つ悪魔。我が新しき下僕だ」
「
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