16話
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たちが待っている席に向かう。
円形のテーブルには一夏さんがおり、その両隣には篠ノ之さんと鈴さんが固めていた。セシリアさんが篠ノ之さんの隣に座り、さらにその隣に僕が座る。一夏さんたちは僕たちが来る前からお話ししていた。
「鈴、いつ日本に帰ってきたんだ? おばさん元気か? というか、アレから1年で代表候補生になったのかよ」
「質問ばっかしないでよ。アンタこそ、何IS使ってるのよ。テレビのニュースで見たときびっくりしたじゃない。……というか鬼一、それ全部食べるの?」
「……あんまり聞かないでください。正直、今かなりテンションが低くて説明する気にもならないです」
手の平サイズのサンドイッチを口に放り込み、野菜ジュースで流し込む。
しかし、約1年ぶりの再開、か。親しい関係ならそれまでの期間、何していたか気になっても不思議ではないと思う。一夏さんにしては珍しく口数が多く感じた。……篠ノ之さんの時も感じたけど、幼馴染という少し特殊な関係には憧れる。仲間に恵まれたとは思うが、友達とか異性の親しい人間がほとんどいない身としては純粋に羨ましい。
一瞬、隣のセシリアさんに視線が飛ぶ。造形の整ったモデルのような顔立ち、キラキラと光り輝く金髪、不純物のない海を思わせるブルーの瞳。
……親しい、とは思う。この学園の中では一番距離が近いと思う、いや、思いたい。でも、なんだろう……。本音さんに指摘された時は動揺してしまったし、その時姿を表したセシリアさんに対してみっともないところを見せた。確かに本音さんの言葉がホントだと思ったから、あんな熱を持ったのに。でも、今はあの時のような熱を持たない。いや、胸が僅かに痛む。
親友? 仲間? 理解者? ……好きな人? 言葉としては色々と思いつくし、該当する、しそうなものもあるけど、ちょっと違うような気がした。なんだろう……僕は、僕はセシリアさんとどんな関係になりたいんだ?
サンドイッチを持つ手が口に運ぶ途中で止まり、そのまま元の位置に戻る。
「……鬼一さん? どうしました?」
「いえ、なんでもないです」
セシリアさんの言葉で沈んでいく意識が戻る。その言葉に何事もないように空いている左手を左右に振って濁した。
「一夏、そろそろどういう関係か説明してほしいのだが」
僕とセシリアさん、一夏さんと鈴さんがそれぞれ話している状態だったからか、疎外感を感じた篠ノ之さんが険しい声で一夏さんに問いかける。周りのクラスメイトがこっちに視線を向けていることに僕は気づいた。その視線の詳しい意味は分からないが、熱と期待の籠った視線が一夏さんを中心に注がれる。
―――……どれだけ、他人の関係にそんなに興味を持っているんだが……。
「べ、べべ、別にあたしは付き
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