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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第三十七話 前線で一番苦労するのは誰なのです?
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めり込んでいた。
「バーベッヒ侯爵の身柄は、俺たちが抑えなくてはならない。間に合うといいが」
ラインハルトはそう言ったが、焦りすぎているというのではなかった。焦燥感に陥ってい視野狭窄になることこそもっとも忌むべきだとアレーナ姉上やイルーナ姉上から繰り返し教わったラインハルトたちである。二人は内心焦らないではなかったが、それでも慎重に進んでいった。
階段を駆け上がり、廊下を突き進み、ラインハルトたちはついに侯爵のPVR(プライベートルーム)と思しきエリアに入ってきた。
「待て!」
ラインハルトが皆を制す。耳をそばだてた一同の耳に、何やら声が聞こえてきた。それも女性の声である。複数の女性が言い争っているようだ。どうもただ事ではない。
「よし、行くぞ。まず、俺とキルヒアイスが様子を見る。卿らはその後に続いてくれ」
ラインハルトが手を振りかざし、トマホークを構えた二人は隙間から光の漏れる侯爵のPVRに肩から突っ込んだ。
ドアが大きな音を立てて吹っ飛んだ。よろめきながら顔を上げたラインハルトとキルヒアイスは目の前に本来いてはならない人物を目撃して愕然となった。
「アレーナ姉上!?」
その言葉を聞いたアレーナの目の前に立って帝国軍女性士官服を着た人間がはっと顔色を変えた。だが、アレーナは顔色一つ変えずに目の前の帝国軍士官の服装をした女性に話しかけた。
「アリシア」
アリシア・フォン・ファーレンハイトは老侯爵を庇い立てするようにして立っていた。
「アレーナ・・・フォン・ランディール侯爵様!?」
アリシアの顔に驚愕の色がうかんでいた。まさか討伐軍の指揮官がアレーナだとは想像だにしていなかった顔だ。だが、アレーナはとっさに首をかすかに振ってアリシアを制した。
「もう一度言うわよ。その人をこちらに引き渡しなさい」
「・・・・・・・できません。私は侯爵様に恩義がある身です。敗北が決定したとはいえ、おいそれと素直にお渡しできるとお思いですか?・・・たとえあなたであっても」
「だろうと思った」
アレーナは肩をすくめた。そして次の瞬間にっとアリシアに笑いかけた。その笑いが宣戦布告を意味するものだということをこの場ではアリシアだけが知っていた。
「アレーナ姉上、ここは――」
「わたくしが――」
ラインハルトとキルヒアイスが進み出ようとするのを、アレーナは制した。
「いいの。アリシアとは旧知だからね。それに、久方ぶりに動くのもいい運動だし」
「何を、いって――」
ラインハルトの口の動きが止まる。アレーナが収縮自在に改造してあった剣を抜き放ったのだ。思いがけない事態に、しかもその洗練された動作に、二人は目を見張った。
「いいわよアリシア、久しぶ
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