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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第三十七話 前線で一番苦労するのは誰なのです?
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っはっは、と老提督は愉快そうに笑った。それがただの笑いではないことは、この提督が事前にワルキューレ部隊の準備や艦隊運動のプログラミングを終了していたことからわかる。

「では、そろそろ行きましょうか。全艦隊、前進!」

 老提督は号令した。メルカッツ提督の艦隊が中央からアステロイド帯に向けて進軍し、陽動作戦を行う。敵がそれに目を引き付けるうちに、アレーナ私設艦隊が左翼から侵入の動きを見せる。敵がこれに反転する隙に、ベルンシュタイン中将が後方からワルキューレ部隊を投入、さらにメルカッツ提督もワルキューレ部隊を出撃させ、敵が壊乱するところを一気に前進して包囲するという作戦である。


 この作戦は功を奏した。陽動部隊に引っかかった敵の3艦隊は、その陣形を乱したところを、ワルキューレ部隊に奇襲され、次々と艦を爆沈させられ、混乱したところを艦隊の突入を許してしまった。右翼、左翼のルクセンベルグ子爵、ディオデール伯爵は旗艦ごと消し飛ばされ、そのほかの一門の艦も同様の運命をたどった。

 その中をかいくぐって、本星に逃げようとする部隊がある。

「あれがバーベッヒ侯爵の艦だ。元凶を逃がすな」

 メルカッツ提督が指令を飛ばすが、折あしく艦隊は前面展開していて、バーベッヒ侯爵の背後を扼せる位置に到達するまで時間がかかる。ワルキューレ部隊が獲物を狙う鷹の様に飛翔していくが、敵は一定の陣形を保ったまま整然と対空砲火で応戦し、近づけさせない。

 この部隊の指揮を臨時に取っているのはアリシアだった。バーベッヒ侯爵の旗艦が被弾して、司令部要員が負傷してしまい、わずか10代の中尉である彼女が指揮を執ることとなったのだ。とはいえ、彼女も転生者である。その落ち着いた指揮ぶりは艦橋要員を安堵させるに十分だった。

 このままいけば本星にまではたどり着けるか、と彼女が思った時だ。

 と、前方に小規模艦隊が2つ、互いに連携するように展開して、砲撃してきた。

 ラインハルト、イルーナも麾下の小規模艦隊をまとめ、高速で迂回して敵の進路を扼しにかかったのだ。

「いつのまに!?」

 アリシアはうろたえたが、数の上ではこちらの方が優っている。相手は合わせても400隻未満、こちらは1,000隻。圧倒的に有利である。

「一点集中砲撃をしつつ、強引に突破!!」

 アリシアは叫んだ。


「イルーナ姉上」

 ラインハルトがシャルンホルスト艦橋にあってイルーナに連絡した。

「敵の護衛艦隊に向けて、集中砲火を浴びせてください。そのすきに私が旗艦でバーベッヒ侯爵の旗艦に突入し、彼の身柄を確保します」
『危険だわ。敵味方の砲火でシャルンホルストごとあなたが吹き飛びでもしたら――』
「心配無用です」

 ラインハルトが不敵に
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