2期/ヨハン編
K24 キミを救い出したい
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役目だったからね。こんな形で使いたくは、なかったんだけど」
調はケースの中身を見て、納得を肯きで示した。
「よし。準備ができた。行こう、調」
「うん。――きりちゃんも、マリアも、マムも、すぐに助けに行く」
調はヨハンが差し出した携帯注射器を受け取った。そして一片の迷いもなく、自らの首に今日2本目のLiNKERを注射した。
「 ――Various shul-shagana tron―― 」
女神ザババの片刃、シュルシャガナのシンフォギアが解き放たれ、調の体を覆っていく。
武骨な自分と違い、彼女たちが戦姫へと変貌する様はいつ見ても美しく――もどかしい。
(僕がもっと強ければ、彼女たちを戦場に立たせなくていいのに)
だが己の無力をヨハン・K・オスティナは不満に思わない。
知っているからだ。優しさや勇気から始まっても、力を求めすぎればそれは脅威だ。大きな力はそれだけで争いの火種になる。
それは悲しいもの、と。もう死んだ人は言った。
だからヨハンは悔しさもプライドも脇に置いて、ただ彼女たちと共に戦場に立つ。
シュルシャガナの“禁月輪非常Σ式”が荒野を走る。
ヨハンは調の両肩に掴まり、禁月輪の後ろに乗っていた。一直線に目指すは、フロンティアの制御室がある遺跡。
「 ――Zeios Igalima rizen tron―― 」
――それは不毛の大地さえも緑茂らす、潤しい音色。
「調!」
「うん!」
禁月輪がジグザグに走る。
通り過ぎた場所の土を、濃緑色のエッジが抉っていた。間違いない。イガリマのエッジパージ式遠距離攻撃、“切・呪リeッTぉ”だ。
エッジを全て躱してから、調は禁月輪を停止させた。アームドギアを解除したことで調のギアもデフォルトスタイルに戻った。
ヨハンと調は身構えつつ、切歌を探した。
「! ヨハン、上っ」
ヨハンは調が見上げる方向を見上げた。――いた。イガリマのギアを纏った切歌だ。
「調ッ、ヨハン! どうしてもデスかッ!」
どうしても戦わなければならないのか。叶うならNOと言いたい。だが。
「ドクターのやり方では、何も残らないっ。それどころか、神獣鏡の装者みたいな新しい弱者まで生み出してしまった。争いを望まない優しい人の意思を奪い去り、争いを強いる世界なんて、どうしたってダメ!」
だが、切歌は頑なに首を横に振る。
「そうじゃない…どんな世界が待ってるんだとしても、フロンティアの力じゃないと世界そのものを助けられない…調だって助けられないんデスッ!」
「こんな状況になって
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