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ソードアート・オンライン‐黒の幻影‐
第2章 魔女のオペレッタ  2024/08 
12話 争乱の足音
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ネルに視線を向けると、両名は頷いて返す。ついでにその奥のアルゴにも頷かれたが、そちらは求めていないので無効票として扱おう。


「ああ、手を貸そう」
「ありがとうございます。では、単刀直入に本題へと移りたいと思います」


 了承を取ってからの説明という順序には不安を掻き立てられるが、それでも無暗に無茶苦茶な難題を吹っかけてくることはないと思いたい。


「今回、皆様にお集まりいただいた理由、それは………大型殺人ギルド《笑う棺桶(ラフィン・コフィン)》討伐作戦についての協力要請、及び事前準備の依頼です」
「ちょっと待ってくレ。オイラにラフコフの相手をしろってのカ?」


 これまで静観の姿勢を貫いていたアルゴもようやく口を開く。
 非戦闘系とはいかなくても、アルゴの装備では対人戦に特化したプレイヤーを相手取るのは困難窮まる。それこそ、自殺を促すような意味合いが強いようにも思えるくらいだ。


「いいえ、アルゴさんとリンさん達には実行作戦に参加されなくても問題はありません。あくまで()()()()までで結構ですので」
「その事前準備云々でいうところの《俺達》には………ヒヨリとティルネルも含まれるのか?」
「はい。貴方達には可能な限り協力を依頼したいところですが………私も、あまり無理強いはしたくありません。荒事は私達に任せていただければ結構です」


 ヒヨリとティルネルは無理強いされない。それは結構だ。
 ………だが、クーネ達(前線攻略ギルドの一角)は血盟騎士団と同じ立場にあるのだろうか?


「クーネ達は、行くのか?」
「………うん、最近は犠牲者も多いし、ウチの娘たちも不安そうだったから………皆を安心させてあげなきゃでしょ?」


 犠牲者。
 その言葉にふと、三日前にローゼリンデから見せて貰った《行き先を失った品物》が想起される。
 贈る側と、受け取る側。その両者が、こんな世界でも希望を見出して、掴もうとした未来さえ容易く手折れる存在が、それ以外でも暗躍しているのだとしたら。確かにそれは忌々しい事態ではあろう。

 ………だが、俺はあくまで幼馴染と仲間しか守れない。若しくは、守ろうとしない人間だ。
 

「その、事前準備というのは………ラフコフのアジトを探れってことか?」
「そうです。片やSAO一の情報屋、片や隠しダンジョンや隠しクエストを探り当てる嗅覚の持ち主。これほどの適任はいないと、団長の推薦でしたので」
「団長様の、ね。買い被り過ぎなんじゃないか?」
「団長の決定ですので。………とはいえ、リンさんが協力を承諾して頂けるとは思っていませんでしたが」
「その辺りは適切な見解だ。………だが、俺にだって思うところくらいはあるさ。可能な限りで協力し
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