第2章 魔女のオペレッタ 2024/08
12話 争乱の足音
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ように見受けられるが、クーネに至っては僅かばかり違和感を覚えてしまう。どうにも態度が淡泊という印象を受けてしまうというか、普段であればもう少しフレンドリーに接してくれるものだが。この張り詰めた雰囲気も今回の召集に関係するものなのだろうか。流石のヒヨリも場の状況を察知して神妙に口を噤んでいる。
「先ず、突然のお呼び立てにも関わらず、応じて下さったこと感謝致します」
「ううん、全然平気!」
「え、ぁ………うん、ヒヨリちゃん、ありがとね?」
前言撤回、ヒヨリはそこまで殊勝な性格ではなかった。というか、意図せずというべきか。
出鼻を挫かれたアスナは苦笑いしつつもヒヨリに優しく接し、咳払いを一つ零してから再び場を整える。
というより、俺も疑問が生じたので質問でも投げかけておくことにする。
「俺達は片翼の戦乙女から召集を受けた筈だが、血盟騎士団も関係しているのか?」
「というより、前線攻略ギルドが主体となっての働きかけです。今回はクーネさん率いる片翼の戦乙女、彼女達と親密な関係にある前線ソロプレイヤーである貴方とヒヨリさん、そしてティルネルさん、更にアルゴさんにも同席して頂いての《協力要請》を兼ねた事前説明会とお考え下さい」
「協力要請だと? 何の情報も開示されないまま手を貸せって言うのは随分と都合の良い話じゃないか?」
「その点につきましてはお詫び申し上げます。しかし、情報を事前に開示しては漏洩のリスクもありましたので………もし、この時点で納得いただけないのでしたらご退席されても結構です。ですが、その後の情報開示は出来かねますのでご了承ください」
淡々と返される応答に、眉を潜ませる。
勿論、副団長様の態度ではなく、その内容に。
前線攻略ギルド主体ということは、普段から角を突き合わせている派閥が手を取り合うという、ある種の異常事態に他ならない。考え得る範囲として、現階層のフロアボスが余りにも強力であったか、それとも分け前を設けても十分に旨味のある超大型クエストでも確認されたか。現状の攻略組の価値観から推測するならば、この辺りが妥当なラインなのではないだろうか。そうすれば、俺とアルゴが呼び付けられた理由は納得できる。ヒヨリも当の副団長様と同列の細剣使いとしての地位を確立しているし、何よりも弓を操るテイムモンスターを引き連れている時点で戦力としては文句の付け様のない実力者だ。ボス戦であれ大型クエストであれ、召集する人材としては十分な面子となろう。そう考えると、推測にも信憑性が増すというものだが………
「………それで、協力して頂けますか?」
今度はアスナから問い掛けられる。
とりあえず、俺の一存で判断するのも憚られるのでヒヨリとティル
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