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未来景stars
☆ある兄弟の話

前書き
桜が満開になったころ、4月5日。自転車を押しながら登校する。 はらはらと、目の前に 薄い桃色の花びらが落ちていく。僕、森道塔也(しんどう とうや)は、今日から中学2年になる。 

「今日から中2だってのに、浮かない顔してるねぇ もうちょいテンション上げたら?」

僕の隣を歩いてそう言ったのは、僕の兄、森道瀬也(しんどう らいや)。兄というか、双子で、瀬也の方が先に生まれたから。
「・・・ウェーイキョウカラチュウニダー(棒)」
とりあえず適当に返しておく。
「ダメだこりゃ・・・まぁ、クラス替えもあるし、お前、今年はちゃんと友達つくれよ? 一人孤立してたらお兄ちゃん心配だからねぇ・・」

余計な御世話だ。と、言いたかったが、そうなるとヤバいから言わないでおく。 瀬也はいわゆるブラコンというものだ。
去年違うクラスだったけど休み時間の度に教室に来たり
僕に陰口を言ってた奴らに凄い目で睨みつけてたり
しかもクラスメイトに僕のいいところ50個を熱く熱く語っていたところを目撃し、はっきり言って ブラコンの極だと思った。
そんな話はさておき 、今日から2年になるわけだけど 別に他人と接することはないだろう。 だって、友達とかいなくても死ぬわけでもないし、正直いなくてもいいと思ってる。今までそう思ってきて ずっと瀬也といた。
そんな日常が、今日から変わるなんて その時僕は思ってもいなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あー、塔也とは別のクラスになっちゃったねぇ・・・・」
僕のクラスはA組 瀬也はB組 クラスが違うならまだいい。
同じA組の生徒の名前を見ると、知ってる人もいたが、殆ど知らない人ばっかりだった。
この『天園シエル』というのは外国のハーフなんだろうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
自分のクラスに行く途中
「「キャ〜!!」」
「「士雄さーん!!!」」
という女子の黄色い声は聞かなかったことにし、素通りした 流石僕だ。

そして 次の角を曲がった瞬間だった。


いきなり目の前に黄色い物体が飛び込んで 僕は尻もちをついた

「いった・・・・」

「あああ!すまん!!怪我ない!? いそいでいたもんだからさ、本当にすまん!」

黄色い物体はどうやら彼の髪だったようで。
僕にぶつかったのは金髪の髪を一つにまとめ、左目が前髪でかくれている一見女に見えるが、声からして男だ。

「今急いでるから、後でちゃんと謝る! それじゃっ!!」

そう言ってすぐ去っていった。

・・・新学期早々、いろんなことが起こった

そして、さっきぶつからなければ、










僕の今の日常は変わっていなかっただろう。



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