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RSリベリオン・セイヴァー外伝 「オオカミと巫女]
オオカミと巫女
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ら……」
「道草とか食わないで下さいよ?」
「わ、わかってるよ……?」
えらく、信用がないようだ。
俺は、しぶしぶと日用雑貨を買いに薬局へ向かった。

一方の櫻はというと、食品売り場で頼まれた物を買い終えた後に狼と合流するバス停へと向かって歩き出していた。
「ああ……早く帰って弥生先輩とアイス食べよ?」
炎天下にさらされて額が汗で浮かび上がる。バテそうな体を必死で支えながら彼は徐々にバス停へと近づいていく。
……が。
――……?
花屋の前に白いスポーツカーが泊まってあった。見る限り高級感を漂わせるフォルムと艶のある美しいボディーだ。
「凄い……こんな田舎町にもこんなすごい車が来るんだ?」
しかし、しばらくして店内から怒号が聞こえた。
「赤薔薇が売っていないだと!? ふざけるな!!」
「す、すみません……」
スーツ姿の男が若い店員へ大声で怒鳴っている光景が嫌でも目に入った。スラッした長身にとびっきりのイケメン。そんな人目で女性を魅了させるような美青年がどうして花屋で怒りをあらわにしているのか?
「もうしわけございません。赤い薔薇は品切れでして……」
「品切れだと!? 貴様……客である私の要望に応えられないというのか!?」
と、さらに怒鳴り散らす青年に、店員はペコペコと頭を下げるばかりだ。
――何よ、アイツ……!
それを近くで見ている櫻はたまったものじゃない。あまりにも店員が可哀相でならず、彼女は後ろから青年に呼びかけた。
「ちょっと! ないモンはないんだし仕方ないじゃない? 別のお花を買えばいいでしょ?」
「何だ? キサマ! この私が誰だか知らんようだな?」
すると、青年は櫻を睨みながら歩み寄ると、彼女に名刺をぶっきら棒に渡した。
「……?」
受け取った名刺を見て、櫻は目を丸くした。『工藤テクノロジー』と書かれた名刺。それは、日本有数のIS企業だからだ。さらに、その名前を見て櫻は彼に指をさした。
「ああ! 工藤って……アンタが、弥生先輩をつけ狙うストーカーね!?」
「なっ!? ストーカーだと!? キサマ……この私をそこまで愚弄するか!?」
「どうでもいいわよ? それよりも、弥生先輩は迷惑しているの! 早いとこ諦めてもらえるかしら!?」
「な、なにを……薄汚い下流家庭のゴミが!」
と、怒りに我を忘れた工藤は片手が伸びて櫻の髪をガシッとつかみ上げた。
「ちょ、ちょっ女の子になにすんのよ!?」
「ふん! 俺はIS企業の人間だ。IS委員会も馬鹿じゃない。女だからって調子乗るな!」
そういうと、工藤は櫻に乱暴を始めた。彼女の髪をつかんだまま地面へ倒した。
「や、やめて……!」
胸倉をつかまれた櫻は、これ以上強がることはできず、いまからひどい目にあわされるんだと涙ぐんでいた。
「愚民がぁ!」

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