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RSリベリオン・セイヴァー外伝 「オオカミと巫女]
オオカミと巫女
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ちに気てご飯食べよ?」
弥生が隣に座るよう指定してくれたのに、そこへ櫻のやつが割り込んできやがった。
「先輩! ドーナッツ焼いてきたから一緒にたべましょ!」
と、こんな具合に俺と弥生の間を邪魔するイレギュラーとなってしまう。
「あ、ちょっと……!」
級に割りこんできた彼女に、俺はイラつく。
「ふふん……先輩にいやらしい事なんてさせやしないんだからね?」
と、勝ち誇ったように彼女は言い捨てる。こいつは、凰よりも厄介な娘のようだ……

こうした、彼女の妨害行為が一週間も続いた。
そんな中、流石にまずいと危機感を感じたのは弥生の方である。彼女は、彼女なりのやり方で櫻を授与所へと呼び出し、奉仕がてらにこう会話をした。
「櫻ちゃんは……狼君の事が、嫌いかな?」
「え?」
ニッコリと笑みを浮かべて問う弥生に櫻は正直に答えた。
「だって……あの人、何考えているのかわからないんです。だって、先輩は優しすぎる性格だから、どっかの男に騙されないかって……」
櫻と弥生は、かれこれ小学生からの古い付き合いである。ざっくばらんな櫻とは正反対の弥生であったが、それでも二人はとても仲が良く、櫻は弥生を姉のように慕い、弥生も彼女を妹のように可愛がっている。
しかし、言いたいことを言えないのが欠点の弥生は、いつも周囲に流されながら生きているので、それに櫻はかなり不安を抱いた。大好きな姉貴分の弥生の元へ変な男が近寄ってきたら……
「狼君は、とっても優しい人だよ? 何度も私を助けてくれたし、それにとってもカッコいいし。それに彼とも長い付き合いだからね?」
「……」
しかし、櫻としてはどうも疑わしかった。彼女からして弥生は騙されているのではないかと思い込んでいる。
「じゃあ……今から、狼君と一緒にお買い物へ行ってきてくれないかな?」
「えぇ!?」
「私なら大丈夫、この境内の一帯に結界を張っておいたから、工藤さんが来ても大丈夫だよ?」
「うぅ……」
ほかならぬ弥生の頼みならしかたがないと、彼女はしぶしぶ巫女装束から私服に着替えると、境内で掃除をしている狼を呼び出して共に行くことになった。

「じゃ、じゃあ……よろしくね? 朋絵ちゃん」
「きやすく、呼ばないでよ! 私は、まだ鎖火さんを信用したわけじゃないんだからね!?」
と、やはり俺の前ではピリピリしているようだ。やれやれ、先が思いやられるな?
俺と櫻は、バスに乗ってここから少し離れた隣の小さな町へと出向いた。とはいえ、玄那神社から片道一時間もある場所だ。
町へ着いた途端に櫻は俺にメモ用紙を私て指示を出した。
「鎖火さんは、日用品を買ってきてくれない? 私は食品を買いにスーパーへ行って来るから」
二手に分かれた方が早く済むということか、それなら同感だ。
「わかったよ? じゃあ、行くか
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