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RSリベリオン・セイヴァー外伝 「オオカミと巫女]
オオカミと巫女
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…軽い雑用でもお願いしようかしら?」
「ああ、いいよ? 男手が足りないなら喜んで」
「でも、無理はしなくていいですからね?」
弥生は、俺を連れて境内にでるとすぐそばにある授与所へと案内した。
「授与所では、主に御守りや御札などの整理と参拝客への授与などを主に行っておりまして、もし時々で構いませんので、もし御暇がございましたら手伝って頂けたら嬉しいです」
「わかったよ? ああ、力仕事でもいいからさ」
「せんぱーい!!」
すると、赤い第二鳥居の方から元気の良い声を上げて駆け出してくる一人の少女が見えた。
「弥生先輩!」
やや、活発な風格を思わせる弥生と同い年ほどの女子高生が、息を切らして俺たちの元へ駆け寄ってきた。
「あ、櫻ちゃん?」
弥生はその少女の名を言うと、櫻と言うその少女は息を荒げて駆けつけると、驚いた口調でこういう。
「例の工藤って言う人が弥生ちゃんのところへ来たって言うから急いできたの?」
「大丈夫、もう行ったよ?」
「んもう! あのストーカー……油断も隙もありゃしないったら」
と、そんな彼女は次に弥生の隣にいる俺に気付いた。
「……で? そっちの人は誰ですか?」
やや、警戒気味な顔をして俺を睨むように見える彼女に、俺はムッとした。
「弥生、誰だこの娘?」
俺も彼女に問う。
「狼君、この娘は私の後輩の朋絵櫻ちゃんっていうの。夏休みになると手伝いに来てくれるの。櫻ちゃん、この人は鎖火狼君っていうの。とっても良い人だから仲良くしてね?」
並行して紹介する弥生だが、そんな彼女に櫻はやや不機嫌な態度を取る。
「ふぅん……? 先輩、もしかして彼氏ですか? この人……」
「え!?」
図星をつかれたことに弥生はとっさに赤くなった。
「やっぱり! 工藤って金持ち野郎がつけまとってくる最中に別の彼氏をつくったんですか!? 信用できます? この人……」
「大丈夫、狼君はとっても良い人だから……」
「そんなんじゃだめです! 先輩は優しすぎるんです!!」
と、櫻は一方的に認めない体制を構え続けた挙句、俺へ振り向くとその細い指をビシッと向けだした。
「先輩の彼氏って名乗るなら? それに相応しい器を持っているかどうかを私が見極めさせて頂きます!!」
そう櫻は俺に挑みこんできた。やれやれ、面倒な相手と目を付けられてしまったものだ……
「……ごめんなさいね? 狼君」
授与所の中で、隣で正座している弥生は申し訳なさそうに詫びた。
「あ、いや……別に気にしてないよ?」
「櫻ちゃんは、ああ見えてとても良い娘ですから、そんなに嫌わないで上げて?」
「うん……」
と、いっても無理な相談だ。彼女が俺を敵視しているのなら……
その後も、櫻は俺の背後から監視するかのように奉仕を続けている。昼食の時間だって……
「狼君、こっ
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