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RSリベリオン・セイヴァー外伝 「オオカミと巫女]
オオカミと巫女
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「……いいよ? 最近よく私の元へ来る人だから」
――もしかして、アイツが弥生の婚約者?
俺は、目を丸くした。そして、再び口を滑らせてそのことを言う。
「まさか……婚約者?」
「どうして、それを?」
「ごめん……蒼真さんから聞いたんだ?」
「……」
弥生は黙った。しかし、俺はどうしても知りたかった。あの臨海での以降、俺と彼女の距離は次第に親密になり、今回もそれがあってこの8月いっぱいを彼女の実家で過ごすということにもなったのだ。
「……隠していたわけじゃないの。ただ、狼君と会う前からあの人に誘いを受け続けられていたの。きっぱりお断りしても、諦めずに何度も……」
「どうして、そんな奴と婚約者に?」
「狼君と出会う二カ月前、その頃の私とお姉ちゃんは神社の経営に苦しんでいたの。そこへ、偶然参拝客として来た工藤さんに突然告白されて……結婚してくれるなら資金を援助するっていうから、私達は迷ったけど、例の臨海学校の件以来、お姉ちゃんが工藤さんに御断りの返事を言ったの。私も、突然あったばかりの人と結婚なんてしたくはないし、それにお姉ちゃんと離れ離れになってお嫁に行くのは嫌だから、私自身も彼にお断りを言っておいたのですが……」
「……それ以来、執念深く通いだしてきたと?」
俺の問に弥生は静かに頷いた。
「もしかして……ストーカーか?」
俺はボソッと呟いた。
「今のところ、気味の悪い事はされていませんが……よく短気な方ですから、怒ると怖いんです」
「まぁ……確かに、ああいう奴は怒ると面倒な奴っぽいな?」
「どうしようもない相手なら、警察に頼んでストーカー被害だって訴えればいいんじゃないか?」
この女尊男卑の御時世、男が少しでも女性にしつこい行為を働けば、それを痴漢や酷いときは暴行の罪で逮捕させることができるのだ。
「でも……そんな事をして逆恨みが酷くなると怖いです。何せ、工藤さんは大手企業の御曹司ですから」
「ああ……そうきたか?」
確かにそれも怖い一例だ。何せ、相手は大富豪の坊ちゃまだ。どうせ、務所へ放り込まれてもソイツの両親が大金の賄賂を警察へ渡せば取引としてソイツの罪は抹消されるのだ。
こう言う裏社会の現状は世界各国では当たり前のように流行っている。その中でも日本の場合はもっとも可愛い方だ。
中には警察が「人身売買」に携わっていたという国もある。どれもこれも、ISの到来によって引き起こされた原因の一つでもあるのだ。
まぁ……早い話、犯人が大富豪の御曹司なら警察に相談しても無駄だということだ。
「……」
俺は腕を組みながら唸り続けた。何か、良い方法はないだろうか? 今、俺が感が得られる方法としては、蒼真さんか魁人さんに頼んで「裏社会」の力でどうにかするしかない。しかし、そんなことをすれば逆にリスクも発生してしまいかねない
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