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RSリベリオン・セイヴァー外伝 「オオカミと巫女]
オオカミと巫女
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が。
「や、弥生!?」
「狼君……」
そこには……あの、興奮の止まない巫女レオタードの姿でいる弥生が立っていた。
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「ど、どうしたんだよ? その格好……」
「狼君……本当は、この装束が好きなんだよね?」
と、いうと彼女は俺の隣に腰を下ろしと足を崩して、寄り添ってきた。
「や、弥生……?」
「……」
しかし、弥生はただ、その姿のまま俺の隣で足を崩しているばかりで、しばしの沈黙が続くのだが、そんな気まずい静けさを打ち消したのが、彼女のある一言だった。
「あの……狼君?」
「な、なに……?」
「最初に、狼君が来たとき、『
夫婦
(
めおと
)
』のふりをしてもらいたいと仰いましたよね? 私」
「そう……だったね?」
「急なことを言いますけど、狼君は……『夫婦』について真面目に考えたことはありますか?」
「えっ?」
「狼君、私は……欲しいんです」
「欲しいって?」
「狼君の……」
「俺の? 俺の、何が欲しいんだ?」
俺、弥生が気に入るような物とか持ってたかな……?
「欲しいっていうのは……『物』ではなくて、狼君の……」
「俺の?」
「狼君の……『赤ちゃん』が欲しいんです!」
「俺のあか……え!?」
俺は目を丸く見開いて突然立ち上がって俺の前で仁王立ちする彼女は、顔を赤くしながらこう叫んだ。
「私の……私の、おなかに狼君の赤ちゃんの種をください!」
弥生は、泣きそうで恥じらう顔をしながら引き締まったレオタード越しに浮かんだ、可愛いおへそのくぼみに手を添えた。
「しょ、正気か!? お前……マジで俺と?」
「本気です! 私……私……狼君の赤ちゃんがどうしても欲しいんです!」
「……」
俺は驚いて返す言葉が出なかったが、しかし時期に俺は彼女にこう返した。
「……別に、今じゃなくてもいいだろ? IS学園を卒業したらさ?」
まだ、彼女はIS学園で学生を演じなくてはならない。それまでに妊娠させてしまったら、彼女が学園にいられなくなるのは当然だ。
「でも……でも! 待てないんです。あなたのことが……好きになってしまったから」
「だからって……」
「臨海学校のとき、命に代えてまで私を助けてくれたあなたに、私はますます狼君への好意が強くなって、それ以来、狼君がいないと、生きていけないぐらいに大好きになっちゃって……私は、あなたのことが、大好きで大好きで……」
「弥生……」
そこまで、俺のことを思っていたとは思わなかった。そして今、彼女の本気を思い知らされてさすがの俺も参っている。だが、夫婦とやらになるのはもう少し待ってもらいたい。
「ごめん。もう少し待って? 別に弥生のことが嫌いってわけじゃないんだ。むしろ、俺もお前が好きなんだ。だけど……結婚とか、そういうのはもう少し待ってくれないかな?
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