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RSリベリオン・セイヴァー外伝 「オオカミと巫女]
オオカミと巫女
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俺は、この夏休みを利用して弥生と神無さんの実家「玄那神社」へ出向いていた。
蝉の鳴き声がこだまする山道を、汗だくになりながら地図を片手に歩き続けた。
玄那神社は、この集落からやや離れた山中にある。
「はぁ……早く、つかないかな?」
バスで行けるとこまでは行けたものの、やはりここから先は徒歩である。その徒歩がどうしても長すぎる。
――こんなことなら、一夏みたいにバイクで来りゃあよかった……
俺も一様、一夏のようにバイク乗りである。こんなことになら、愛用のオフロードバイクで山道をスラスラとツーリング感覚で向かえばよかった。
しかし、いまから神聖な場所へ向かうんだし、失礼があっては何だと思えば逆に徒歩で向かった方がいいのかもしれない。
「今から、弥生の家へ行くのか……」
今まで、俺は知り合いの家に遊びに行っても女の子の家に入ったことは一度もない! ましてや、女友達すら一人もいないから無理はない。
そう、年端の離れていない女の子の家って、いったいどんなところだろうか? 想像するたびに緊張して胸が苦しくなる。
ま、まぁ……これまで弥生とは一緒の部屋で寝てたり臨海学校のときもハードルの高いことをしてきたんだ。今更、夏休みの期間、彼女の家でお世話になる……なんて、今までよりハイレベルじゃん!?
考えてみると、いつでも彼女に付きっ切り、その上二人っきりっぽいし……あ、でも寝る時はたぶん別の部屋を貸してくれそうだからそれはそれでいいが……
しかし、そんな所へこんな俺が果たして耐えきれるであろうか?
「……」
自信のない顔をして、俺は歩いて数十分後、ようやく大きな鳥居と天まで届くかのように高く長い石段が姿を見せた。
「おお……これは立派なもんだぜ?」
石段を見上げながら、俺はえっちらと汗をポタポタ落としながら石段を登っていった。周囲からの深緑の木々からミンミンゼミの鳴き声が甲高く鳴き乱れる。うるさいというよりも、幻想的で嫌いではなかった。
――弥生って、巫女だから境内で掃き掃除とかしてんのかな……?
弥生の巫女といえば……例の和風レオタードの装束しか印象がない。もしや……神社で奉仕をしている時でも、あのきわどい格好で……?
「や、やばっ……!?」
突然、タラリと鼻血が流れ落ちる。慌てて鼻元をつまんでどうにか凌いだ。
「やれやれ……この年になると異常なまでの性欲が湧き出てしまうんだから、正直辛いよ?」
そう、思春期の時はそんな感情を毛嫌いしていたのだが、高校を卒業して徐々に社会人になっていくたびに、次第と興味を示し始めてしまったのだ。
「さて……」
俺はようやく石段を登り切ると、目の前には広い境内と神々しい立派な本殿が出迎えてくれた。
確か、弥生の家は社務所兼自宅だったな? しばらくお世話になるんだから、授与所で店番ぐらいは手伝
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