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Blue Rose
第十六話 神戸を後にしてその一

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                 第十六話  神戸を後にして
 優花のこれからのことが決まった、優子は昨日よりもさらに女の子らしくなった優花に対してあらためて言った。
「一ヶ月後にね」
「長崎にだね」
「ええ、その頃には」
 優花のその睫毛の長い顔を見て言った言葉だ。
「貴方はもっと女の子らしくなって」
「それでなの」
「隠せなくなってきているから」
「だからだね」
「もう言葉がね」
 それもというのだ。
「変わってきているから」
「そういえば」
 優花も言われてだ、自覚した。
「何か最近女の子の喋り方にね」
「なっていることが増えてるわね」
「ええ」
「今もそうだしね」
「身体が女の子になってきていて」
「心が身体についていってきてるの」
「だからなんだね」
 優花もここで気付いた。
「僕は言葉使いも」
「女の子になってきているのよ」
「そうなのね」
「そう、心もね」
「じゃあ身体が完全に女の子になったら」
「そう、心もそうなっていて」
 そしてというのだ。
「喋り方もね」
「完全に女の子になるのね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「そうなるのよ」
「それを隠す為にも」
「ええ、一ヶ月後にね」
「長崎の病院、いや療養所?」
「そこに入ってね」
 そのうえでというのだ。
「完全に女の子になるまでそこで過ごすのよ」
「そうなるのね」
「その間そこからは出られないけれど」
 それでもというのだ。
「女の子になったら」
「そこから出られて」
「長崎の学校に通うのよ」
「女の子として」
「そうなるからね」
「そうなのね」
「そう、あと一ヶ月よ」
 優子は期限をだ、弟に告げた。」
「長崎まで姉さんと一緒だから」
「うん、じゃあね」
「お話は全部整ってるから」
「僕は心配しなくていいんだ」
「そうよ」
 その通りという返事だった。
「だから安心してね」
「それじゃあね」
「ええ、暫く神戸にいないけれど」
「その間も僕は」
「苦しまなくていいから」
 こう言うのだった。
「落ち着いた気持ちでいてね」
「そうするわね」
「胸もね」
 優花の胸を見た、するとその胸は。
 ほんの僅かであるが膨らみが見える、その胸を見てだ。
 真剣な顔でだ、優花にあらためて告げた。
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