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魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第9話 とあるスパイを自称する陸曹の日常
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セラフィムはオレのデバイスじゃない。“ある人”と交換したものなんだ」
「“ある人”……?誰ですか?」
食事の手を休めて食いつく皆の顔を見回し、ラディは悪戯っぽくニヤリと笑う。
もったいつけるように少し間を置き、ラディは口を開いた。
「嫁だ♪」
「「「「「嫁ぇっ!?」」」」」
衝撃的な言葉に思わず全員の声が重なる。
その反応に気をよくしたラディは、スバル達の言葉に何事かと聞き耳を立てる周りにも聞こえるように、少し声を大きくして話を続ける。
「たとえ互いにどれだけ離れていても、心はいつだって繋がっている。もしも互いのピンチの時に、駆けつけることができないとしても、力になれるように。そう、願いを込めて、自分のデバイスを交換し合ったんだ」
?だから私はラディのことをマスターと呼ばないんですよ。私のマスターはラディの嫁なので?
「そういうことだ。どうだ、羨ましいだろ?」
自慢げに語るラディに、羨ましいだとか情熱的だとか、恋に恋する乙女たちから黄色い声が湧き上がる。
しかしそこでなにかに気づいたのか、シャーリー。
「でも、ラディ君ってたしか13歳……未成年だよね」
「それがなにか?」
「法律的に結婚は――」
「それがなにか?」
重要重大なはずの問題であるはずの年齢。それを一言で片づけながら、ラディはやれやれと子どもに言い聞かせるように愛を語る。
「いいですか、シャーリーさん」
「は、はい」
「戸籍を入れたから、夫婦になるんですか?」
「ふ、普通は」
「そうですそうです。違います」
「いや、違わないと思います」
「この人と一生ともに歩き続けると、楽しいこと嬉しいことを一緒に分かち合うと、辛いこと苦しいことを支え合って乗り越えていこうと、そう互いに思えたなら誓い合えたなら、それはもう、夫婦なんです」
「いやなんか少し違うような」
「入籍なんてただの手続き。やろうがやるまいが夫婦であることに関係はない」
「いやそれはおかしい」
「愛とは、心の声、魂の叫び。法律とか倫理とか社会常識とか、愛の前にはただのゴミ」
「いやそれは絶対おかしい」
「愛し合う二人を前にすればそんなもの、自然と膝をつくものですよ。というか跪け」
「そんなの絶対おかしいよ!!」
「黙れこの公僕、法律の買い犬め」
「局員!私たち管理局局員!そんなこと言っちゃダメ!」
非常識
(
ラディ
)
が
常識
(
シャーリー
)
を鼻で笑い、
常識
(
シャーリー
)
が
非常識
(
ラディ
)
をなんとか正しい道へと戻そうと奮闘する中、同じテーブルについてる四人は二人の話など欠片も聞いてはいなかった。
四人の頭の中を占めているのはただ一つ。
全長3m近く、総重量30kgオーバー。
鬼か巨人かはたまた巨大ロボかなにかが使うのか。
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