暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第9話 とあるスパイを自称する陸曹の日常
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どうしても事務業務の処理に時間が掛り、また、ミスも多かった。
それが問題視され事務業務の応援として地上本部から送られたのがラディなのだ。
そういった理由で出向となったため、前線メンバーの中では例外としてラディだけは訓練には参加せず、こうしてデスクワークに勤しんでいるというわけだ。
そうした表向きの経緯はラディもよく分かっているし、そのための自分の能力であり、副隊長という役職であるとも分かっている。
分かってはいるのだが……
「やっぱ、さみしいな、この状況」
本日の業務の目途も立ち、少し気を緩ませながら軽く談笑する回りを見ながら、ラディは溜息を吐く。
繰り返すが、この時間、前線メンバーは本来、全員訓練場で訓練をするはずなのだ。
そのため前線メンバーは皆訓練場にいるわけで、分隊や部署ごとに分かれたオフィスで、ラディの周りだけがぽっかりと穴が開いていた。
決して、ハブられているわけでも、ましてやイジメられているわけでもない。
状況として、どうしても、仕方なくこうなってしまうのだ。
まぁ、この状況はこの状況で、“任務”のほうが捗るのでそれはそれでいいのだが、やはり寂しいものは寂しいのだ。
?――んで、状況はどんな感じだ?セラフィム?
オフィスに備え付けのPCにつないだセラフィムに、ラディは事の進捗を念話で尋ねる。
?いや〜あまりいいとは言えませんねぇ。相も変わらずアリの子一匹入る隙間もないセキュリティ。率直に言うとですね……超ウゼェー?
オフィスのPCから六課のマザーコンピューターに接続し、そこから機密情報を掠め取ろうとしているセラフィムは、うんざりした声でラディに念話を返す。
あまり芳しくないセラフィムの進捗に、しかしラディはそこまで慌てた様子はなく、ただ一言、そうかとだけ返す。
なにせこちらはそもそも、辞令が送られてきている時点で身バレしているのだ。六課も相応の準備と自信をもって受け入れていたはず、この状況は当然のものである。
ゆえに想定からは少しも逸脱してはいない。
強いて言うなら、自分から積極的に身分を明かすことで無能を演じ、少しは油断を誘えるかとは思ってはいたが、なかなかどうして、今回の相手はそこまで甘くはないらしい。
?まぁいいさ。“雇い主”だってそう簡単にいけるとは思ってないだろうしな。やり方だって他にもたくさんある。肩の力抜いて、気楽にやっていこう?
?うっわぁ〜なんともまぁやる気のない。気が乗らないからっていくらなんでもそれは仕事に対して――いや、もういいです、はい?
なにやら念話で説教でも始めようとしていたセラフィムだったが、肝心のラディがキーボードを叩き始めたのを見て、あきらめたように言葉を切りそのフォローへと回った。
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