第14話 世界の歴史が集まる島
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える巨大なソレは、下半分に目を向けると一本の樹の幹だと分かり、ようやく一本の大きな樹が生えているのだと理解できる。その樹の根本に、図書館への入り口が有るという。
隣を歩く天龍に、大樹を指さして聞いてみると、俺と同じように巨大な樹を観察し続けていた彼女がすかさず答えてくれた。
「そうみたいだぜ、提督。話しによれば、島のどこからでも見えるぐらいの大きな樹の中に、図書館とか、歴史の研究所が有るって聞いてる」
確かにあれほどなら、島のどこに居たとしても見失うことも無いだろ、という大きな目印に向かって、俺は艦娘達を後ろに引き連れ歩いて図書館の入り口を目指す。
丁度、石畳の道が大樹の根本のある方向に敷き詰められていたので、その道を辿って歩いて行くと、確かに樹の根元まで続いていた。そして、その石畳の終点には樹の内側に入れるような、木製の扉を発見した。
「失礼します」
一応失礼にならないように扉をノックをして、反応を伺いながら早速中に入る。すると、入ったいきなりの正面に本がぎっしりと敷き詰められた本棚が数多く見えた。そして、次に少しカビっぽい古い本独特の匂いが、強烈に鼻を刺激してきた。
「コレは、すごいな」
樹の中に入って見てみると、正面だけでなく、左右や後ろにもグルリと本棚が一杯だった。あれだけ大きい樹の中はくり抜かれていて、そこに本棚が樹の内側に沿って隙間なく配置されているようだった。
樹の中なのに、図書館の中は暗いという事は全く無くて、外から陽の光を上手く取り込んでいるのか、中は想像していたよりもずっと明るくて、並べられた本棚や背表紙もしっかりと見ることが出来た。その本棚に収まっている本も、隙間なくビッシリとしているのが見えて、膨大な量の本が置かれていることがひと目で把握てきた。
「本が一杯っぽい!」
「壁一面、本棚ですね」
「中もちゃんと明るくて、楽しい雰囲気です!」
「ちょっと、埃っぽいな」
俺の後ろについて入ってきた夕立、吹雪、舞風に天龍の4人がそれぞれが初めて見たという反応と、感想を口に出している。
「ようこそ、オハラ図書館へ! 君たちは初めてこの図書館へ来たみたいだけれど、何の用だい?」
俺達が大量の本棚という見慣れない景色に気を取られていたその時に、老人に声を掛けられた。声のする方へ目を向けると、特徴的な髪型をした老人がすぐ側に立ってニコニコと笑顔を浮かべていた。
その老人は、突然入って来た俺達に対して笑顔で対応しつつも、俺や後ろの艦娘達に目を向けて観察を続けているみたいだった。どうやら、少し老人に警戒されている様子だ。
「突然お邪魔してしまい、申し訳ありません。私は、大日本帝国海軍少将の平賀と申す者です。実は、調べたい事が有ってココに来ました。すると、分からない
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