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不器用なマジシャン
1部分:第一章
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ましょう」
「僕も一緒に行くよ」
 事務所の人は自分も行くと申し出た。
「僕の担当の仕事になったからね」
「そうですか。小津さんも」
 亮太が彼の名前を呼んだ。髪を短く刈った大柄な、いかつい顔の男だ。一見するとラガーマンに見える。一目見ると怖そうだ。
 だがその目は優しく口調も穏やかだ。その小津の名前を呼んだのだ。
「一緒に来てくれるんですね」
「そうさせてもらうよ。是非ね」
「はい、俺のマネージャーさんと入れて三人で」
「一緒に行こうね」
「わかりました」
 こうしてだ。亮太はチャリティーの仕事を受けることにした。そうしてその仕事の日にだ。実際にその学校に来た。そこはというと。
 白い校舎に広いグラウンドがある。グラウンドの端には緑の木々がある。一見すると田舎によくあるような学校である。しかしだ。

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