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魔王に直々に滅ぼされた彼女はゾンビ化して世界を救うそうです
第7話『Re:maker』
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以って現在の状況に気付く。不味い、と。
スィーラがジークとメイリア以外に好意的に話せる人物は今の所いない。『
対魔傭兵
(
かれら
)
』は当然スィーラの事を知っているのだろうが、その姿までは知らない筈だ。ならばスィーラを殺そうとしてもおかしくは無い。先ほど垣間見た彼女の頑丈性ならば死ぬ事はないのかもしれないが、守った筈の人間から敵意を向けられると言う状況だけは絶対に避けねばならない。
瞬時にスィーラを守る様にメイリアが移動し、槍の戦士から白銀の少女を隠す。が、当然そんなお粗末な隠蔽が彼に通じる筈もなく、その少し伸ばされた茶髪から覗く漆黒の眼はしっかりとスィーラを見つめていた。
「お嬢ちゃん、別にそう怯えなくてもいいんだぜ?さっき言ったろう、『敵性反応無し』って。加えてさっきのそこの死徒の行動もほんの少しだが見た。その死徒を殺すつもりは今んところねぇから、安心しな」
愉快そうに笑う中年の男は警戒を解く様にポンポンとメイリアの頭に手を乗せ、敵意がない事を証明する。その行動に安心したのか、メイリアも構えた杖を下ろした。満足そうに頷いた男はメイリアの横を通り、未だ少しふらつくスィーラの前に立つ。
「……ジークから話は聞いてる。よくやってくれた、お嬢ちゃん」
「……ぃ、……ぅ……?」
「ああそう、ジークだ。俺らはジークに呼ばれて来たからな、ここの人達を助けてくれってさ。あのクール気取りがあそこまで慌てた声は久々に聞いたよ」
−−魔族の思惑に気づいたジークは、直ぐにスィーラの後を追わなかった。追ったとしても単独では焼け石に水なのは理解していたし、多大な犠牲も出ていただろう事は瞬時に分かる。ならばどうするか。
スィーラと初めて出会った場所に設置した、ポイントマーカーに向かう。
ポイントマーカーとは、ジーク達『
対魔傭兵
(
リ・メイカー
)
』が好んで用いる座標指定魔術の一種だ。大地に流れる魔力の本流、
根源魔力
(
グラン・オド
)
と呼ばれるソレに直接接続し、物資や人員の瞬間転移を可能にする拠点代わり。
難点は発動から完全に起動するまでに3日ほど掛かるという点だが、一度起動すれば何度でも利用できるとその恩恵は大きい。しかも、転送内容に制限はない。
ならば、事前に本部へと連絡を入れ、完成直前だったポイントマーカーを起動させればいい。
少し距離があったためか遅れはしたが、結果ジークは計120名の膨大な戦力を手に入れて戦場へと辿り着く事が出来た。
……ふと。
「……そうだ、ジーク!ジークは何処ですかっ!?」
辺りを見渡して焦りを抱いたメイリアが、僅かに汗を浮かべながら男に詰め寄る。男は「あぁ」と呟くと、持っていた槍の根元を持って街の外側を示した。同時に、幾重にも重なる虹の輝きが、街の外全
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