第71話
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ン!?……はは、これでも若作りなつもりだったが………やっぱりオジサンだよなぁ。」
キーアの言葉を聞いたヨアヒムはショックを受けた後溜息を吐いた。
「い、いや、先生はお若いですよ。」
(キーア………こういう時はお世辞でもお兄さんと呼んだ方がいいです。)
(そうなのー?)
そしてヨアヒムの様子を見たロイドはフォローし、ティオはキーアに小声でささやき
「いや、そういうフォローは余計に切なくなるんだけど………まあいい、とりあえず、こちらの方に座ってくれたまえ。詳しい事情と経緯を聞かせてもらおうじゃないか。」
ティオの言葉が聞こえたヨアヒムは溜息を吐いた後、気を取り直して近くにある椅子に座るように促した。その後ロイド達はヨアヒムに事情を説明した。
「………なるほど。大体の状況は理解したよ。ふむ、七耀教会の法術でも取り戻せない記憶か………となると、そのシスターの指摘通り神経系の問題である可能性は高いな。」
「………そうですか。何とか回復する手段はあるものなんでしょうか?」
「正直、脳神経や脳細胞の研究はまだまだ始まったばかりでね。記憶喪失になる原因はそれこそ無数にあり得るから対処療法が存在しないんだよ。ただまあ………」
ロイドに説明したヨアヒムは医療用ルーペを取り出した。
「―――キーア君。僕の目を見てくれるかい?」
「いいよー………じー………」
そしてヨアヒムは医療用ルーペをキーアの目に向けてじっと見つめた。
「ふむ………瞳孔に異常ナシ。ここ数日、頭痛がしたり、吐き気がしたりしたことは?」
「ズツウ?ハキケ?」
「頭が痛かったり、気持ち悪かったりってことさ。」
ヨアヒムの質問に首を傾げているキーアにロイドは説明した。
「ううん、キーアは元気だよ?」
「ふむ………脳にダメージがあるような感じでもなさそうだ。となると……………」
キーアの診断を止めたヨアヒムは頷いた後、目を閉じて考え込んだ。
「………何か見当でも?」
そしてヨアヒムの様子を見たティオは尋ねた。
「………これは僕のカンなんだが。何らかの薬物が影響している可能性は高いかもしれない。」
「薬物………!?」
「薬で記憶喪失が起きる可能性が………!?」
「ああ、そういう症例も数少ないが過去に存在する。薬の成分が、神経系の伝達を副次的に阻害してしまうんだが………ただ多くの場合、心理喪失を伴うことが殆んどみたいでねぇ。キーア君にはそのまま当てにはまらないかもしれない。」
「確かに………心理喪失には程遠いですね。」
「………はい……………」
「んー?」
ヨアヒムの話を聞いて考え込んでいるロイドとティオを見たキーアは首を傾げていた
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