機動戦艦ナデシコ
1378話
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示すと思うのですが……ただ、どうにもゲキガンガーをあまり好まないようでして」
言葉では照れくさそうにしているのが分かるが、そこには紛れもなく愛情が存在している。
この辺り、照れ隠しの一種なんだろう。
「そうか。じゃあダチョウ肉を買っていってやればいい。レシピの類もついてる筈だから、調理方法で困るという事はない筈だ」
ダチョウ肉という、鶏、豚、牛といった食べ慣れていない肉だけに、当然調理法に困る客も多い。
実際、どういう風に調理すればいいのかと量産型Wに客が聞いてくるのも珍しい話じゃないらしいしな。
そういうのが続いた結果、簡単なレシピがダチョウ肉に付く事になったらしい。
ただ、特徴がないのが特徴というダチョウ肉だけに、合わせる気になればどんな料理にも合わせる事は可能だろう。
ダチョウ肉らしさを出すというのは、難しいかもしれないが。
「ほう、それは助かります。こちらとしても、ユキナにダチョウ肉を料理して貰うのであれば、美味しく料理して貰いたいですからね」
嬉しそうな様子の白鳥を見て、大きく手を叩く。
「じゃあ、取りあえず解散だ。それぞれ好きなように動いてくれ。土産物屋に行くも良し、ワイバーンに乗りに行くも良し。普通の動物と触れ合うも良しだ。個人的には牛の乳搾り体験がお勧めだな。絞りたての牛乳は美味いから。それと牧場で売っているソフトクリームはその牛乳を使っているから、濃厚で美味いぞ」
そう告げると、皆がそれぞれ去って行く。
グリューノも年に見合わず結構楽しみにしているようで、真っ直ぐにワイバーン乗り場の方へと向かっていった。
そんな中……
「あ、あの!」
不意に聞こえてきた声に視線を向けるが、その声の主が話し掛けていたのは俺ではない。
俺の隣にいた神楽坂だった。
そう、高杉が顔を真っ赤にしながら神楽坂へと話し掛けたのだ。
「はい? えっと、何ですか?」
神楽坂の方も、いきなり高杉に話し掛けられて戸惑っているのか、いつもとは少し違う話し方だ。
「その……もし良ければ、自分と一緒に牧場を見て回って貰えませんか?」
つまり、デートのお誘いだった。
だが神楽坂の方は鈍いのか、全く高杉の様子に気が付かず……
「ごめんなさい。一応今回はこのツアーの案内役としてやって来ているので、1人とだけ見て回る訳にはいかないんです」
そう断りの言葉を口にする。
恐らく精一杯の勇気を振り絞ってデートに誘った高杉だったのだろうが、それがあっさりと撃沈されてしまった様子は、少し哀れと言うしかない。
いやまぁ、神楽坂の言ってる事ももっともなんだけど。
「そう、ですか。分かりました。……すいません、いきなり誘ったりして」
「いえ、気にし
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