EPISODE4.月下の銀鎧
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「お前は戦士失格だ!風鳴翼ッ!」
「何故だ!私の生き方は間違っていない!常に刃として戦い、感情を捨ててただ敵を倒す為だけに生きて来た!それに問題があるとでも言うのか!」
「ああ、あるさ。俺の好きなドラマの中にこんな台詞があるんだ。『俺達機械生命体が人間に近づこうとしているのに、その人間が俺達に近づこうとしてどうする。俺達は人間を超えたいんだ。お前達が俺達に近づいたら意味が無いんだ。』要するに、命あって初めて人間なんだ。簡単に、命や心を捨てるな。さて、訓練は終わりだ。オッサン、飯は自由に食っていいんだろ?どうせ俺の飯代なんて政府の公金で降りるだろうし。」
『よほどの物じゃなければな。』
「じゃあ一番卵のボリュームがしっかりしているカツ丼を一つ頼めるか?」
『そんなのでよければいいぞ。なんなら、今日は全員朝飯はカツ丼にするか。』
『いいですね!』
弦十郎の提案に、響は賛成した。
「いやあ〜、美味い!故郷を思い出すよ!」
「キョウヤさんの故郷にも、カツ丼ってあるんですか?」
「うん。てゆうか、日本の料理は大体エルドラドにもあるよ。肉じゃがの味付けには結構厳しいぞ、俺は。」
キョウヤと響はカツ丼を食べながら話している。
「いやあ、やっぱり朝動いた後は飯が美味いな!」
「キョウヤさんもですか?私もですよ。」
キョウヤと響が話に花をさかせている中、翼は一切箸をつけていなかった。
「どうした?腹減っていないのか?」
「あなたには関係の無い事です!」
翼はキョウヤの質問にやや切れ気味で返す。
「苛つく気持ちも解る。万全だと思っていた手だてが一切通用しなかった。その挙げ句コケにされていただけだったから腹を立てているんだろ。だけどな、食べ物を粗末にするな!そんな風にしていられたらせっかくの飯が不味くなる。食わないんだったら今すぐ箸を置いて出ていけ。俺が食う。」
キョウヤがそう言うと、翼は何も言わず箸を置いて出て行ってしまった。
「翼さんッ!」
響は翼を追いかけようとするが、
「響ちゃん、止めるんだ。」
キョウヤは抑える。
「キョウヤさん、どうしてですか!」、
「きつい言い方になるが、あれじゃあ護られる方が不安で一杯だ。第一、自分の世界以外は全て否定して、いざ自分が負けたらあの体たらくときた。こっちだって食わなきゃやってられねぇ。そうだ。あいつが残した分、二人で分けようぜ!」
キョウヤは、既に丼の半分を自分の丼に移していた。
「響ちゃんも食べるだろ?」
「はい。」
結局、翼の残した分はキョウヤと響で完食した。
「と・こ・ろ・で、キョウヤ君に聞きたいんだけどぉ♪」
食べ終わって一段落つけたキョウヤに了子が話しかける。
「了子さんどうしたんすか?」
「キョウヤ君の背骨に変な金属が見えたんだけど、一体何かなぁ?」
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