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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第55話(3章終了)
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な風の吹きまわしかしら?」

「つーか、まるで今まであえて放任してたような口ぶりッスね?」

セルゲイの申し出を聞いたロイドは驚き、エリィは明るい表情をし、レンはからかいの表情で呟き、ランディは苦笑しながらセルゲイを見つめた。



「クク、どうだかな………ただまあ、この特務支援課は元々はガイのアイデアを参考に設立したってのは確かだ。」

「そ、そうなんですか?」

「ギルドの評判に対抗するため設立された部署だったのでは………」

「そいつは上層部を納得させるための口実だ。―――生前、ガイのヤツが俺に語っていた言葉がある。今のクロスベルに必要なのは”壁”を乗り越える力だ………若いモンが失敗してもいいから力を合わせて前に進める場所……それが警察には必要なんじゃないかってな。」

「兄貴が……」

「やれやれ……とんだ熱血アニキだな。」

”特務支援課”ができた経緯に隠されていた真実を知ったロイドは驚き、ランディは苦笑していた。



「もしかしてティオちゃんが支援課に来たのも………?」

「あ……」

「ああ、ガイの意志が息づく場所に居たかったんだろう。本人からはっきりと聞いたわけじゃないがな。………レン、ちょうどいい機会だから聞いておく。まさか”特務支援課”に来た本当の理由は”自分と同じ存在”であるティオがどんな奴なのか興味があったからか?」

「うふふ、『もう一人の助かった子供』であるティオについて興味がある事は否定しないけどそんな理由の為だけに”特務支援課”に来ないわよ。レンが特務支援課に出向してきた真の理由はいくつかあるけど、一つはロイドお兄さんのお兄さん――――ガイ・バニングスに頼まれたからよ。」

真剣な表情をしたセルゲイに問いかけられたレンは意味ありげな笑みを浮かべて答えた。

「…………………何?生前のガイはお前と面識があったのか?」

レンの口から出た驚愕の答えを聞いたセルゲイは一瞬固まった後我に返ると戸惑いの表情で訊ね

「……その、課長。絶対に誰にも他言無用と言う事でお願いします―――――」

その様子を見たロイドは説明を申し出、レンと共にガイ・バニングスが生きている事等も含めて説明をした。



「…………クク、まさか生きていたとはな。しかも偶然クロスベルを訪れたレンと”焔の剣聖”によって九死に一生を得るとは……奴の悪運の強さはもはや神がかっているな。」

「ハハ、俺もそう思います。」

兄の生存を皮肉も交えて喜んでいるセルゲイの指摘にロイドは苦笑しながら頷いた。

「……ちなみにレン。ガイを殺った……いや、殺りかけた”容疑者”の件でロイドは俺とダドリー、警察関係者以外にいると言っていたが……その”容疑者”の中にはアリオスも入ってい
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