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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第55話(3章終了)
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ランディお兄さん?」

「……まあな。”猟兵”みたいな”裏の仕事”で生活している奴等にとってミラが全てだ。ましてや莫大な金額の”報酬”を値引き交渉する事もなく支払う”大口の依頼人”と関わる事があった場合自分達の腕を信用して、今後も自分達を雇ってくれるように”依頼人”の”要請(オーダー)”を完遂できるように本気で仕事をするだろうな。」

「ランディ………………」

「…………レンちゃん、ミシェラムで助けてくれたメイドの人達もレンちゃんが雇っている”西風の旅団”の猟兵達と同じような存在なのかしら?」

レンに問いかけられて疲れた表情で答えたランディをロイドは心配そうな表情で見つめ、エリィは複雑そうな表情でレンに訊ねた。

「ジョーカーお兄さん達の事?あの人達は違うわ。あの人達はレンが困れば、お金とか関係なくレンを助けてくれる”忠臣”よ。」

「”忠臣”………」

「”忠臣”………”主”に心から慕う”臣下”という意味ね。」

「確かに言われてみればあの執事達は心から小嬢に従っているって感じだったよな………」

レンの説明を聞いたロイドは呆け、エリィは静かな表情で呟き、ランディはミシェラムでの出来事を思い出していた。

「経緯は省くけどジョーカーお兄さん達はみんな、昔仕事を失ったり、家族が怪我や病気で高い治療費が必要で困っていた時にレンが救いの手を差し伸べてあげたら、みんな、レンに感謝してね。それでみんな受けた恩を返す為に、レンの”忠臣”―――”味方”になってくれたのよ。」

「どうしてレンちゃんは自分の”味方”を増やしているのかしら?」

「昔今のパパ―――『剣聖』カシウス・ブライトから教えてもらったの。『人は様々なものに影響を受けながら生きていく存在だ。逆に生きているだけで様々なものに影響を与えていく。それこそが『縁』であり―――『縁』は深まれば『絆』となる。そして、一度結ばれた『絆』は決して途切れることがないものだ。遠く離れようと、立場を(たが)えようと何らかの形で存在し続ける……だからレン、お前さんも俺達”家族”だけでなく他人も大切するように心がけるのだぞ。そうすればいつかその人達はお前さんを助けてくれる存在になる』……ってね。」

「『一度結ばれた『絆』は決して途切れることがないもの』……か。」

「各国の軍組織の指揮をした『剣聖』らしい言葉だな。」

「…………………」

レンの話を聞いたロイドとセルゲイは静かな表情で呟き、ランディは複雑そうな表情で黙り込んでいた。



「だからこそレンは様々な方面からの情報を集めて、色々と”訳あり”な様々な理由で困っている人達を助けてあげたの。みんな、”訳あり”なだけあって、”対価”としてレンの味方としてレンの元で働いてくれるように提示したら
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