第四章
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「考えを変えられてはどうでしょうか」
「といいますと」
「はい、今貴女はついていないとお考えですね」
「最悪だと思っています」
「ならそこをです」
「そこを?」
「変えられては」
こう美桜に言うのだった。
「そうされてはどうでしょうか」
「変える、っていいますと」
「発想の転換です」
この場合の変えるということはというのだ。
「それが宜しいのでは」
「発想のですか」
「そうですね、まずは」
ここでだ、天空は。
周りを見回してだ、こう美桜に言った。
「街中で立ってお話するのも何ですし」
「何処かに連れ込んで」
「馬鹿な、拙僧は真面目に修行しているつもりですぞ」
「それじゃあお坊さんですから」
美桜は伝え聞いた知識から天空をいぶかしむ目で見つつ問うた。
「男の人に」
「今は僧侶でも結婚出来ます」
天空は美桜にむっとした顔で返した。
「拙僧はノーマルですぞ」
「じゃあやっぱり私を」
「ですからこれでも真面目なつもりです」
口はさらに尖った。
「そんなことはしません」
「じゃあ何処でお話を」
「八条寺へどうぞ」
その寺にというのだ。
「拙僧が今修行で入らせてもらっている」
「そこで、ですか」
「はい、詳しいお話をしましょうぞ」
「確かに。お寺ならこうしたお話も出来ますね」
「はい、そうしたお話をするところです」
寺こそはというのだ。
「ですからどうぞ」
「それじゃあ」
美桜は天空の言葉に頷いた、そしてだった。
二人で八条寺に向かった、向かう途中で聞けば天空は丁度用で街に出ていてその用が終わって寺に帰る途中で美桜に会ったのだ。
それでだ、寺に入ると。
天空はまずは住職に事情を話した、すると。
住職は天空に笑顔で何かを話した、それから天空はあらためて美桜に対して話した。
「では茶室にどうぞ」
「茶室ですか」
「そこでお話をしましょう」
「茶室っていいますと」
茶室と聞いてだ、美桜はこうしたことを言った。
「凄いですか」
「いやいや、お茶はです」
「茶道はですか」
「こうした時にするもので」
「お話をする時にですね」
「そうです」
美桜に真剣な顔で言うのだった。
「特に肩肘張らないで」
「茶室に入ってですか」
「お話をすればいいのです」
「そうしたものなんですね」
「お茶を飲むことも」
茶道の茶、即ち抹茶もというのだ。
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